500名のボランティアの皆様の支援  横浜盲特別支援学校図書館

2014年01月14日 | Weblog
◎未来の図書館「さわれる検索」を横浜市立盲特別支援学校図書館へ視察を行いました。



「さわれる検索」とは、調べたいものの名前を言うだけで、3Dプリンタから立体模型として出力されるという驚きものの機器。今回は、ヤフー株式会社が新コンセプトモデルとして開発し、筑波大学附属視覚特別支援学校に寄贈された機器を約1か月間借り受けることになった事による公開授業の視察でした。


目の不自由な子どもたちが3Dでものの形を調べる事ができる機器で、機器にに向かって言葉を発することで、その物の形が立体で出力されます。

図書館の「手で読む絵本」も拝見しましたが、触る絵本のことで、登場人物や動物など、絵の部分を様々な素材を利用して、再現している本です。手で触ることで、イメージを膨らましてその物語の世界に入っていけるように工夫して作ってあります。聴くだけの読書から、触れて読む読書への導入を図っており、指からたくさんの情報が得られることを経験できるようにしています。童話や迷路、地図、文字カードなどの種類があります。

こうした事からすると、「さわれる検索システム」が加わる事によって、今後より高い学習効果と創造につながるものと思われました。





盲特別支援学校の図書館では、視覚障害のある利用者に適した読書環境の整備 が必要となります。本の貸し借りには、音声対応の図書館蔵書管理ソフト(情報BOX)を使用しているため、利用者が一人で本の借り受けや返却ができます。

図書館の蔵書は大きく分けて,墨字本(活字印刷された市販の一般図書)、点字図書、拡大図書、録音図書から成り立っています。点字図書には、点字だけの点訳図書以外に、手で読む絵本、点字付きの絵本などがあります。絵本は、幼稚部や低学年の子どもが楽しめるように、さらに「手で読む絵本」「点図絵本(挿絵を点図で表したもの)」などへ変換されます。

拡大図書には、ボランティアの手作りの拡大文字の本と、市販されている大活字本、iPadの電子書籍などがあります。拡大文字の本は、利用者の要望を取り入れ、文字のポイント・フォント・行間・文字間などにも工夫して作成されています。

録音図書には、CD図書やDAISY図書、マルチメディアDAISY図書などがあります。その他にも、音の出る絵本や、しかけ絵本、DVDなどを取り入れています。



図書館は、一人ひとりにあった点訳本や拡大本、録音図書などの「読める資料作り」をすることが大きな役割。そこで、一人ひとりにあった図書を作るために、点訳・拡大・音訳さまざまな分野の大勢の図書館ボランティアに支えられて、運営されています。

何よりも感動したのは、今現在で、29団体、500名を超える図書館ボランティアの皆様がいるとのこと。しかも、何十年単位でずっと支援をされ続けておられているとのこと。

利用者が、読みたい本を、読める形で提供ができるように、誰もが利用しやすい居心地の良い図書館を目指している盲支援学校の図書館。

未来への技術と、そして数多くの真心の支援で支えられて、夢の膨らむ日本一の「未来の図書館」になることを願っています。