なぜ消費税をあげるのか 「社会保障と税の一体改革」  その1

2014年01月22日 | Weblog
◎超高齢社会へ向けて年金などを持続可能なものにするために「社会保障と税の一体改革」の実現が踏み出されています。


社会保障給付に掛かる費用は年100兆円を超え、この20年間で倍増しました。さらに、「団塊の世代」が75歳以上となる2025年以降には、150兆円まで膨れ上がる見通しです。

一方、「国の借金」は既に1000兆円を超え、主要先進国で最悪の水準です。世界に類を見ないスピードで超高齢社会に突入する中で、いかに社会保障制度を持続可能なものにし、財政を建て直すか―。

今回の消費税率引き上げは、国民全体で負担を分かち合い、支え合っていくためのものです。増税分は全て社会保障に使われます。



公明党は税率引き上げについて、(1)経済状況が好転しているか(2)増税の使い道となる社会保障改革の全体像が示されているか―の二つの基準から検討。

経済状況は、足元の経済を見ると、今年4~6月期の実質GDP(国内総生産)が前期比年率換算で3.8%増に改善するなど、経済成長の好循環への兆しが出ています。増税で懸念される景気の腰折れにも、政府は経済対策で対応します。

改革の全体像についても、子ども・子育て支援と当面の年金改革は既に一昨年の一体改革で法律が成立。医療や介護については、政府の「社会保障制度改革国民会議」が8月にまとめた報告書で、改革の方向性が示されたと判断しました。



消費増税による景気の失速を防ぐため、政府・与党は5兆円規模の経済対策と1兆円規模の減税を実施することを打ち出しました。これに対し、「景気を冷え込ませる恐れのある増税を行う一方で、経済対策を行うのは矛盾しているのではないか」といった批判が聞かれます。

しかし、消費税率引き上げは、社会保障制度を長期的に安定させるための恒久的な措置で、経済対策は、消費増税下でも景気の回復軌道を維持するための一時的な措置です。

経済対策の焦点は、企業の収益増を雇用の拡大や賃金引き上げ、個人消費の拡大へとつなげる好循環の実現です。具体策の一つとして、「先端設備」など生産性の向上につながる設備投資を行った企業の法人税の減税が導入されます。

先端設備については、中小企業に限り、一代前のモデルの機械や一定のソフトウエア(コンピューターのプログラムなど)の購入でも減税の対象になります。

自民党との税制改正協議では当初、中小企業税制は検討項目に入っていませんでした。公明党の訴えで、資本金3000万円超から1億円以下の企業が特定の機械などを購入した際、法人税の税額控除や即時償却が認められるなど、施策を大きく拡充させました。

減税の恩恵を受けない赤字企業も含め、公明党は新たな事業展開を後押しする補助金などの拡充をめざします。