
ここ数日、庭の花の写真に坂村眞民さんの詩が載せたくて、彼の詩集をよく読んだ。
その中に「むらさきしきぶ」という詩をみつけた。
むらさきの小さいつぶつぶを
つけているので
むらさきしきぶと呼ぶのであろうか
一本何万円という木が
ずらりとならんでいる
秋の植木市で
わたしはこの可憐な潅木を見つけ
すぐに求めた
名前にひかれたといってもいいだろうが
片隅にひっそりと売られていた
その侘びすがたに
心をとらえられたといってもよかろう
タンポポ堂の木々たちの
仲間入りをする
美しい優しい名のむらさきしきぶよ
この詩を読んで無性にむらさきしきぶのつぶつぶに会いたいと思った。
念ずれば花ひらく? by眞民
偶然にも、今日花屋さんの店先をのぞいたら、会えました、会えました、むらさきしきぶに。
「あなたが、むらさきしきぶさんなのね。お会いできて光栄です。でも、あなた、むらさきしきぶという名前が付いているくらいだから、随分お高いんでしょね?」
そんな事を思いながら値段を見ると、なんと150円と書いてある。
「はあ~、あなた150円なの? 高貴なお名前の割りに庶民的なお値段だこと。それくらいの値段つけられてプライド傷ついてない?」
なんてくだらない心配をしながら、一鉢持ってレジへ。
私
「すみません、これ、この値段でいいんですか?」
居合わせた常連らしきおばさん
「これ、むらさきしきぶっていうんでしょ?名前がいいわねえ~。」
私
「そうですね。」
居合わせた常連らしきおばさん
「これ、安くしてあげなさいよ。」
私
(150円でむらさきしきぶのプライド心配しているのに、これ以上安くしてくれなくてもいいですから)←心の声
お店のお姉さん
「そうですね、じゃあ、120円で。」
私
「120円、うわあ、うれしいなあ。ありがとうございます。」
顔をひきつらせながら、笑顔で一応お礼を言う。

上の写真、我が家に買って帰った120円のむらさきしきぶです。
大丈夫、一番いいとこに植えてあげるからね、むらさきしきぶさん。

今日の私の小さな幸せ
むらさきしきぶが120円で買えたこと。

(やっぱり安く買えてよろこんでいる)