39年ぶりか…。
ジョン・ウェイン=デュークが保安官ルースター・コグバーンを演じてアカデミー主演男優賞を得た『勇気ある追跡』(69)の続編である。
まず、全く別のスタッフが製作しているにもかかわらず、ルースターを取り巻く、酔っ払いの猫、中国人の相棒といったディテールをきちんと引き継いでいるところに拍手。
デュークが十八番の強く優しい西部男を演じているが、前作の少女マティ(キム・ダービー)に代わって、今回は何とキャサリン・ヘプバーン=ケートが演じる修道女がルースターを雇うという設定だ。
この映画の一番の見どころは、共に1907年の5月生まれという大スター同士による掛け合いで、互いの年輪と余裕が画面からにじみ出てくるところが何ともいい。
いかだで川をくだるシーンなど、ケイトがハンフリー・ボガートと共演した『アフリカの女王』(51)の影響もうかがえる。
ところで、ケイトは『招かれざる客』(67)でスペンサー・トレイシーを、『黄昏』(81)でヘンリー・フォンダを“看取る”役割を果たしたが、この映画も含めて、あの年でどうしてこんなに勝ち気でかわいらしい女性を演じることができるのだろう、と毎度驚かされる。その点、この映画のデュークはちょっと損をしている気もする。
この映画も、今、改めて見直すと、リチャード・ジョーダン、アンソニー・ザーブ(珍しく善人役)、ポール・コズロ、ストロザー・マーティン(毎度の怪演!)といった、懐かしき70年代の名脇役たちとの再会が楽しかった。