『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』とは兄弟映画か
思い膵臓病を患う高校生の桜良(浜辺美波)と、彼女の秘密を唯一人知ったクラスメートの「僕」(北村匠海)との、友情とも恋愛ともつかぬ不思議な関係を、12年後に教師になった「僕」(小栗旬)が回想する。
脚本の吉田智子は『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(16)でも、現在と過去を交錯させたが、今回も原作にはない“12年後”を描くことで、切なさを増幅させた。
加えて、同作の三木孝浩監督のアシスタントを務めた月川翔が本作を監督していることもあり、両作は兄弟のような映画になった。何とも物騒なタイトルだが、過度な難病ものではなく、切ない青春ドラマとして描いたところに好感が持てる。
ポイントは、岩井俊二の『Love Letter』(95)にも似て、図書室という不思議な空間を利用したところか。サン=テグジュペリの『星の王子様』からの引用も印象的だ。