田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『ヘアスプレー』

2018-10-26 10:42:49 | 映画いろいろ
 ジョン・ウォーターズ監督のオリジナルを基にしたミュージカル映画。監督はダンサーや振付家としても知られるアダム・シャンクマン。



 舞台は1962年のボルチモア。ヒロインの太った高校生トレイシー(ニッキー・ブロンスキー)と彼女の母(ジョン・トラボルタ)、黒人たちが、テレビのダンスショー「コーニー・コリンズ・ショー」に出演するさまを描く。

 62年という、まだベトナム戦争を知らず、公民権運動も盛んではなかった微妙な時代を背景に、太っていても、肌の色が黒くてもいいじゃないか、というメッセージを込めながら、ノリのいい歌とダンスで楽しませる。カラフルな衣装や装置も見ものだ。

 ただし、特殊メイクで女装し、太ったトラボルタとクリストファー・ウォーケンの“夫婦ダンス”などを、グロテスクな悪乗りと見るか、よくやるよと笑って見られるかが、この映画の好き嫌いの分かれ目になるのでは。かく言う自分は『ジャージー・ボーイズ』(14)の“前科”はこの映画にあったのかと、ウォーケンに拍手を送った口。

 敵役のミシェル・ファイファ― 、さすがのクイーン・ラティファ、コーニー・コリンズ役のジェームズ・マースデン、若手のザック・エフロンらも好演を見せる。こういう映画を見ると、黒人はみんなダンスがうまいと錯覚しがちだが、実際はダンスが苦手な黒人も少なくはないのだろう。
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『青の帰り道』清水くるみ

2018-10-26 08:22:10 | 仕事いろいろ
 地方に住む7人の高校生たちの卒業後を描いた群像劇『青の帰り道』(12月7日公開)に出演した清水くるみにインタビュー。



 この映画で彼女は、家族と不仲のため東京に出、歌手を目指す親友のカナ(真野恵里菜)のマネジャーになるキリを演じている。屈折を抱えた、どちらかと言えば暗い役どころだったが、実際に話を聞いてみると、明るく元気な若者だったので安心した。

 自分が通った高校は男子校だったので、最初は「やっぱり共学はいいなあ」などと思いながら映画を見ていたのだが、そのうちに「この子たちは一体どうなっていくのだろうか」とか、「これ以上彼らを不幸にするな」などと、親のような気持になって見てしまった。当たり前のことだが、もはや青春映画は遠くになりにけりか。

 また、東京で生まれ育った人間としては、東京と地方との距離感に加えて、東京=悪所、地方出身者=被害者という、相変わらずの類型的な描き方を見ると、「あーまたか」という思いがしたのは否めない。
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