先日読んだ『銀幕ミステリー倶楽部』に、本書所収の「ローマの休日」届が入っていたので、懐かしくなって再読してみた。
探しても決して見つからない不思議な「名画座」。そこでは誰か一人のために、懐かしい映画が上映される。そこで見た映画は、人によってはいい方にも悪い方にも作用する。
「逢びき」のあとで、「天使の詩」が聞こえる、「非情の町」に雨が降る、「コレクター」になった日、「ドラキュラ」に恋して、「もしも…」あの日が、お出かけは「13日の金曜日」、「間違えられた男」の明日、そして「ローマの休日」届、という名画をモチーフにした9話からなる短編集。
さらっと軽く読めてしまうところがこの人の真骨頂。これはこれで立派な才能だと思う。
『銀幕ミステリー倶楽部』
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