共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
キアヌ・リーブスと真田広之、ドニー・イェンとの競演が見どころの『ジョン・ウィック コンセクエンス』
タートルズの青春物語『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』
詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1405163
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今週は
キアヌ・リーブスと真田広之、ドニー・イェンとの競演が見どころの『ジョン・ウィック コンセクエンス』
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『目撃』(97)(1997.6.30.丸の内ピカデリー)
やり手の泥棒ルーサー・ホイットニー(クリント・イーストウッド)は、忍び込んだ家で、大統領(ジーン・ハックマン)が犯した殺人を目撃したことから、国家権力から追われる羽目になる。
イーストウッドが、昔々の片岡千恵蔵ばりに、七つの顔を持つ怪盗を演じている(比喩が古過ぎるか…)。で、千恵蔵同様、どう変装をしてもイーストウッドのままなのはご愛敬だが、年の割には身のこなしの良さを見せ、一定のルールを課した仕事ぶりには、粋なところも感じさせる。
加えて、亡霊のような登場の仕方には、ユーモラスな面もあり(中でも、一人暮らしの娘(ローラ・リニー)の部屋に忍び込んで冷蔵庫に差し入れを入れておくという設定は面白い)、彼の作品にしては、珍しく重苦しさや切羽詰まったような緊張感は薄い。
しかも、敵役のハックマン(さすがにうまいが、最近、ちょっと出過ぎの感あり)、撮影ジャック・N・グリーン、音楽レニー・ニーハウスと、“『許されざる者』(92)組”が周りを固め、『ライトスタッフ』(83)の仲間で、わがお気に入りのエド・ハリスとスコット・グレンが脇を固めていた。
特に、グレンは、以前からイーストウッドに顔立ちが似た役者として認識し、この2人が共演したら面白いかもしれないと思っていたので、それがかなってちょっとうれしかった。
また、脚本を『ホット・ロック』(72)や『マーヴェリック』(94)といった、怪盗ものやコンゲームを扱った良作を過去に手掛けているウィリアム・ゴールドマンが担当したのも大きい。
というわけで、『許されざる者』で自他ともに認められて以来、ケビン・コスナーを悪党にし切れなかった『パーフェクト・ワールド』(93)、一種グロテスクなメロドラマとなった『マディソン郡の橋』(95)と、いま一つ乗れなかったイーストウッドが、三度目の正直で手にした当たり役。ひょっとして後日談が作られる可能性もあるかもしれない。
【今の一言】と、期待を込めて書いたが、結局後日談は作られなかった。