『ヒッチコックの映画術』(2023.9.26.オンライン試写)
サスペンス映画の神様と称されるアルフレッド・ヒッチコック監督が、自作について語るスタイルで、膨大なフィルモグラフィと過去の発言を再考察しながら、彼の映画作りの秘密を紹介するドキュメンタリー。全編アリステア・マクゴーワンがヒッチコックの”物まね”をしながら語っているので、ある意味、フェイクドキュメタリーだともいえる。
全編を「逃避=Escape」「欲望=Desire」「孤独=Loneliness」「時間=Time」「充実=Fulfilment」「高さ=Height」という6つのキーワードに分け、イギリス時代のサイレント映画から『レベッカ』(40)以降のハリウッド映画、そして遺作となった『ファミリー・プロット』(76)まで、ヒッチコックの映画を縦横無尽に解説していく。
ただ、究極の映画オタクである『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』(21)のマーク・カズンズが監督・脚本を手掛けただけあって、120分の間ずっと語りっ放し。いわばヒッチコキアン向けの映画だが、話にメリハリがなく、だらだらと語りが流れていくので、何だか関係者が自作を見ながら解説するDVDの副音声のような感じがして、かえって印象が薄くなったところがある。
『ドミノ』ロバート・ロドリゲス監督 『ヒッチコックの映画術』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/6285736090eb9f63a8cc76af0cb5baba
『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/73ea520057baea56eda7e28de84fe41f