今回のお題は、デルマー・デイビス監督、ジェームズ・スチュワート主演の『折れた矢』(50)。
図らずも前回の『ジェロニモ』(93)の“前日談”を語るような形となった。この時代に、珍しくインディアンの側に立ったリベラルな映画が誕生した裏には一体何があったのか。多分それは脚本を書いたアルバート・モルツの視点が大きいのだろう。
この映画でクレジットされている脚本家はマイケル・ブランクフォートだが、実はブランクフォートは名前を貸しただけで、実際に脚本を書いたのはモルツであることが分かっている。これは『ローマの休日』(53)のイアン・マクラレン・ハンターとダルトン・トランボと同じケース。
なぜこんなことが起こったかといえば、モルツもトランボも、いわゆる赤狩りの「ハリウッドテン」として映画界から追放された身だったからだ。それを知ると、この映画がなぜ当時の西部劇としては珍しいリベラルな作りになったのか、その理由の一端が分かった気がする。
『折れた矢』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7acd6b7c0a34ff48fbfe1bc5777caa26
「映画タイトル!大ヒットの法則」『ローマの休日』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/1dd5b2e9ed04d020a68600579b4474a9
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