『アシスタント』(2023.6.9.オンライン試写)
名門大学を卒業したジェーン(ジュリア・ガーナー)は、映画プロデューサーを目指して有名エンターテインメント企業に就職した。業界の大物である会長の下でジュニア・アシスタントとして働き始めたものの、仕事は雑用ばかりで職場ではハラスメントが横行していた。
だが、ジェーンはチャンスをつかむためには会社にしがみついてキャリアを積むしかないと耐え続けていたが、会長の許されない行為を知り、ついに立ちあがることを決意するのだが…。
2017年にハリウッドを発端に巻き起こった「#MeToo運動」を題材に、憧れの映画業界が抱える闇に気づいた新人アシスタントの“ある1日”を通して、多くの職場が抱える問題をあぶり出した社会派ドラマ。製作は2019年。
ドキュメンタリー作家のキティ・グリーンが初めて長編劇映画を監督し、数百件のリサーチとインタビューで得た膨大な量の実話を基にフィクションとして完成させた。つまりジェーンは複数のモデルの代表ということになる。
濃い1日の出来事をひたすらジェーンの視点で追っていく。ガーナーが目線や表情、しぐさなどでジェーンの心の動きを見事に表現する。しかも“陰の主役”である会長は、電話の声(ジェイ・O・サンダース)やメール、社員たちのうわさに登場するだけで最後まで姿を見せない。どこかサスペンスを見ているような気分になる。
『SHE SAID シー・セッド その名を暴け』は、女性記者を主人公にした大作だったが、こちらはいかにもこじんまりとした小品という感じがして、その分身近な問題として捉えることができた。
『SHE SAID シー・セッド その名を暴け』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/72317744837083aa502ef8a02d2b879f
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