硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

恋物語 6

2021-03-09 21:19:17 | 日記
重力に負けかけている重くなった腕を伸ばし、ベッドサイドのテーブルの上の携帯を取って画面を見ると、平川綾乃からのLINE。

「いまなにしてる?」

あー、この文章から続くワードは、おそらく恋愛相談だろう。まぁ綾乃の頼みだから仕方があるまい。すぐさま返信をする。

「ねころんでたw」

「相談ある」

やっぱりな。すぐさま返信。

「綾乃のお願いなら、断れないな」

「ありがとう。圭介先輩のことなんだけど」

あー。例の先輩だな。しょうがない奴だ。www

「まだ、片思いなの」

「まあねぇw」

ぼる塾か。と突っ込みたくなるが、のってしまったら綾乃のペースだ。ここは平静を装う。

「で、何が知りたいの」

「圭介先輩の、彼女がいる件」

確か去年、いきなり「先輩をどう思うか見てみて」と頼み込んできたことあって、綾乃の事だから一肌脱ぐかと、綾乃と先輩が話をしている様子遠巻きに観察しにいった事があった。
その時、先輩には見たことのない『色』が見えたから、恋愛感情を持つ異性はいないと判断し、「よい人だと思うよ。綾乃は心配しすぎなんだよ。」と、助言した。
あれから一年半。なにも進展させなかっただなんて、大胆なくせに小心。笑えてくるよ。

「ww 相変わらず」

「笑い事じゃないよぉ。(涙)」

「ごめん。いないのは確かだよ」

「ホント(笑顔)」

「確かだよ。いよいよ告白するの? 」

「う~ん」

「wwwそんなんじゃ、一生片思い」

私は、綾乃の軽快な返信に合わせていたが、次に送られてきた思いもよらぬ告白に身心がフリーズしてしまった。