硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

恋物語 14

2021-03-21 19:36:46 | 日記
先輩笑ってる。いやいや、その告白の後に爽やかな笑いってメンタルすごすぎるよぉ。
違う! 私の先輩への想いはどうなっちゃうの~。マジわけわかんない。

「実はさ、高校の時、口外しないって約束で、二宮だけには打ち明けてたんだ。」

えっ! 二宮先輩は知ってたの⁉ なんかムカつく。ダメダメ、落ち着いて私。

「あっ、それで・・・・・。二宮先輩が「彼女じゃないよ」って言ってたのは。それでも、二宮先輩と付き合ってるって思ってる子多かったですよ。私もずっと疑ってました。」

「そうだろうなぁ。告白してくれた女子には、とりあえず「好きな人がいるから」って断ってたから。」

「そうなんですね・・・・・・。」

「周りには二宮と付き合ってるって思われてたからさ、それは好都合だったんだけど、二宮にはごまかせないだろ。だからと言って、カミングアウトすると、差別が始まって、学校に居づらくなるってネットの友から聞いててさ、めっちゃ悩んでたんだけど、3年間を乗り切るためには誰かの協力が必要だと思ったから、思い切って二宮に打ち明けて、協力してもらったんだ。それでも毎日がマジしんどかったよ。」

うわ~なんて重い話なの。私じゃぁ受け止めきれない。でも、先輩にとってすごく大切な事を打ち明けてくれたんだから、私も気持ちを伝えなきゃ。

「・・・・・・そうだったんですねぇ。なんか、先輩の事全然知らなかったんだなぁって思ったらなんだか悔しくなってきました。」

そう言うと、先輩は「そういえば、二宮も同じこと言ってたなぁ。」と言って微笑んだ。