硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

恋物語 4

2021-03-07 19:59:08 | 日記
私は同級生から、「恋愛マスター」と呼ばれている。しかし、私は「恋愛マスター」ではない。
なぜなら、これまでの人生は恋愛とは皆無であり、異性の心中など皆目見当つくはずがないのであるから、むしろ、「恋愛素人」という表現が的確だろう。

そんな私に「恋愛マスター」という肩書がついてしまったのは、同級生とのお喋りの中で「恋バナ」の悩みに対して、これまでに読んだ本の中から得た知識を引用してアドバイスをしてみたら、私のアドバイスによって、その想いが成就してしまったことが発端となり、それが、皆に認知されてしまったからだった。
そして、次々と申し込まれる相談に「NO」とは言えない性格も相まって、「なるべく」引き受ける事にしたのであるが、まだ子供だと自覚している私が、救いの手を差し伸べて来るすべての人の気持ちに応えられるほど心の余裕はない。
多くの人を導いた、イエスや釈迦やアッラーや、その信徒でもない私であるから背負うものがちがう。だから、「なるべく」がちょうどいいのである。
もし、人類が僅か17年で精神的に成熟できるのなら、とうの昔に戦争という愚かな行いから脱却しているはずなのだから。

恋愛相談の要は、相談者がどういう答えを求めているのかを理解し、その気持ちをさりげなく後押しする事だ。
勿論、一方的な片思いでは、成就する可能性も低く、無責任な後押しは出来ないので、その際は、さりげなく気持ちの切り替えを促し、良い方向へ進められるように努めるのだか、臨床心理士でもない私がそこまで踏み込めるようになったのは、私しか知りえない特異体質に頼るところが大きいと思う。