硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

恋物語 15

2021-03-22 20:31:39 | 日記
私にとって圧倒的存在だった二宮先輩も先輩の告白に同じ思いをしていたのか。
なんか、二宮先輩に嫉妬していた自分がハズい。

「だから、ヒラの気持ちは嬉しいんだけど、俺自身のアイデンティティを捻じ曲げてまで、これまでの世間の「普通」といわれるものに合わせて生きてゆくのは、もう無理なんだ。」

言葉に詰まる。背中に変な汗も出て来た。そんな問題、私に答えられるわけないよぉ。

「俺は俺の普通で生きていきたいんだ・・・・・・。」

先輩は、爽やかで、頭が良くて、スポーツ万能で、皆から好かれていたけれど、そんな思いをしていただなんて思いもしなかった。恥ずかしくって、涙出そうだよ。
人を知るって、好きな人の事を知るって、実はとても大変で大切な事なんだなぁ。

「じゃぁ、大学ではもう・・・・・・。」

「まぁ、大学はほぼほぼリモートだし、あんまり顔を合わせる機会もないから、カミングアウトする機会もないけど、俺が通ってる社会学部社会学科は教授もゲイだということをカミングアウトしてて、LGBTQに偏見がないんだよ。けど、もし、社会学部社会学科で偏見があったとしたら、笑ってしまうけどな。」

先輩大人になっちゃったなぁ。私、なにやってたんだろ。
ここは、無理無理でも背伸びしなくちゃ。

「いやぁ、なんていっていいのか・・・・・・。先輩の気持ちを知らずに、勝手な事ばかり言ってすいませんでした。」

「あやまらなくていいよ。ヒラの気持はなんとなくわかって、いつか打ち明けなきゃいけない時が来るんだろうなって思ってたからさ・・・。それでさ、ヒラからLINEきて、これはもう直接会って話しないといけないなって思ったんだ・・・・・。俺の方こそ今まで黙っててごめんな。」

その言葉に、胸がいっぱいになった。フラれたことにではなく、先輩が苦しい思いをしていた事に気づかなかったくせに、好きなってもらおうとしていた自分が悲しかった。