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鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第1819回】 この時期に救急車が増える理由

2015年12月24日 | 住宅コンサルタントとして
最近、やたらと救急車が出動しているシーンに遭遇します。

明らかに夏場より冬場の方が、救急車の数が多いような気がしませんか?

その理由は、日本の住宅の性能の低さに要因がある、ということは、
まだまだ知られていない事実なのです。

東京都健康長寿医療センター研究所によると、
2011年には年間17000人もの人がヒートショックに関連した入浴中急死をしたとみられ、
これは交通事故で亡くなっている方よりも圧倒的に多いのだそうです。

なぜヒートショックがこの時期、しかも入浴中に起こるのかというと、
脱衣場、並びに浴室の中が10℃以下という環境で身体の体温が急激に下がる。
そしてそれに適応しようとして、血圧が急激に上がる。
そんな中、熱いお湯に浸かることで、今度は急激に血圧が下がる。
これが失神の原因となるのだそうです。

この入浴中の心肺機能停止の件数が、
12月、1月は、最も少ない8月と比較すると11倍も多く発生するのだそうです。

そりゃ、救急車、多く見るはずですよね?

でも高性能住宅を建てて、換気と暖房の知識をマスターすれば、
脱衣室もお風呂の中も20℃近い温度をキープできるということを
ほとんどの日本人は知りません。
(北海道や東北地方北部にお住まいの方以外は、ほとんど知らないでしょう)

イギリスやドイツでは、
冬に室温が20℃以下にならない性能を有した家しか建ててはいけない、
というくらい厳しい基準があるのです。

その理由の1つは、環境保護、エネルギーの削減が目的ですが、
もう1つは、医療費の削減だったりします。

でも、日本の住宅の性能の基準には、こうした高いハードルはありません。
それどころか、性能の低い家しか建てられない、大手プレハブメーカーに合わせた
ゆるゆるの基準しか無いのです。

大体次世代省エネルギー基準って、いつの時代のもの、未だに使ってんねん!
長期優良住宅の省エネ等級4なんて、たかだか知れてるやん!
と個人的に思っています。

しかもその断熱性能の測定方法も大手ハウスメーカーに有利になるように
さまざまな除外項目がありますしね・・・。

話はかなり反れましたが、日本の家の性能を上げることで、
こうした事故は減っていくのです。
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