「こういうことをすると、相手は喜んで下さる」
「こういうことをしたら、相手の気分を害する」
というような、先を予測するイメージ力は、
ビジネスをやっていく上で、
また人間関係を構築する上で、
非常に重要です。
このイメージ力を持っていない人が、
俗に「空気が読めない人」と言われ、
ネットワークが広がっていかなかったり、
売れにくくなっていったりするのです。
このイメージ力はどうやったら身につくのか?
個人的には、若いうちにいろんな痛い目にあって、
厳しい指導をしていただくことで、
身につくような気がしています。
最初に働かせていただいた、メーカーの営業マン時代。
性格的にキッチリとしたお客様を
担当させていただいていた時のこと。
キッチンの注文をいただいたのですが、
キッチンは納品のかなり前に電気や設備の配管図面が
現場に必要になるのです。
「スピードこそが品質である」
と当時、ビジネス本で勉強していた私は、
そのお客様に設備配管図面を早くお送りすることが、
お客様満足につながると思い、
注文をいただいたその日の夜に
ファックスでお送りしておきました。
翌朝、そのお客様から電話があり、
褒めていただけるものと思って出たら、
受話器の向こう側で、カンカンにお怒りになっているのです。
その理由は、当時のファックスは感熱紙というものを使って
受信したデータを印刷していたのですが、
「お前が送った図面のせいで、
ウチの感熱紙、かなり消費したじゃないか!
そんなの、後日、お前が持ってこい!」
ということでした。
今だと、パワハラに当たるというか、
パワハラを超えるレベルで怒鳴り散らされました。
それ以来、他のお客様に対しても、
枚数がそれなりにある場合、
ファックスを送った方が良いか、
持参した方が良いか、
確認するようになりました。
また、そのメーカーの営業会議では、
営業マンは毎回、資料をつくって発表するのですが、
もうパワハラ・モラハラの上司がおり、
その方の機嫌が悪いとボコボコにつるし上げられるのです。
その方にツッコまれないように、資料をまとめるには、
自分の担当のお客様に対し、
やるべきことをやる必要があったので、
結果的に売るための行動をとるようになり、
結果も出ました。
どのレベルまで厳しく言ってよいのか、
という線引きは難しいですが、
当時、あの厳しい指導があったおかげで、
神経は図太くなり、ストレス耐性も上昇し、
更に空気を読む力を
身につけられたような気がしています。
空気を読む力がまだ未熟なスタッフさんに対して、
パワハラ・モラハラはダメですが、
周囲が厳しく接していかないと、
いつまで経っても先を読むイメージ力が身につかない、
ということにもなりかねません。
特に営業マンは、
お客さまと良好な関係を構築する上で、
この能力は不可欠かと思います。
イメージ力向上のために、
上司は都度、細かな指導をしていきたいですね。