鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【4883回】 出店するタイミング

2024年05月13日 | 住宅コンサルタントとして
全国的に展開している「や台ずし」。

もともと建築会社だったのですが、
今や「や台ずし」が本業となった、
ヨシックスホールディングスという会社が運営されています。

この「や台すし」の出店戦略ですが、
店舗が2か月連続赤字となれば、
お店を閉店することを検討するそう。

いろんな業態を開発されていますが、
とにかく小さくはじめて検証し、
うまくいきそうな業態を広げていく。

こういう戦略で着実に成長されているようです。

そしていろんな業態で各地に出店し、
赤字が2か月続けば、その店は閉店候補となる。

このスピード感は、素晴らしいと思います。

でも住宅会社の場合、2か月連続赤字で閉店、
という出店戦略をやる訳にはいきません。

我が社を信じて建てて下さったお客様がいる訳ですが、
簡単に閉店できない業種なのです。

外食の場合、注文していただいたお料理をお出しし、
お客様に召し上がっていただいた段階で、
飲食店としての役割は果たしている訳ですが、
住宅会社の場合は、お引渡しして終わりではないのです。

すなわち、一度出店したからには、
絶対に閉店しない、という強い覚悟を持てる場合にしか、
出店はしてはいけない、と個人的に思うのです。

では、閉店しないためにはどうすれば良いか?

これは当たり前のことになりますが、
店長が務まるリーダーの数以上の出店をしない、
ということに尽きます。

住宅会社の店長の仕事を整理すると

・販促企画立案&準備
・販促企画告知のための広告実施
・店に来店されたお客様の担当分け、進捗チェック
・部下の同席
・契約後、店の全てのお客様の着工までの工程管理
・着工管理
・入金管理
・クレーム対応&定期点検管理
・部下の教育
・店の環境整備

などなど。

要するに全体を俯瞰して見ることができて、
しかも決めたことを確実に実行できる方でなければ、
店長は務まらないのです。

ところが、こういうことを理解せずに、
営業マンとしてちょっと結果が出た営業さんを
すぐに店長に任命し、出店していくような住宅会社の場合、
機能しない店をたくさん生み出すことになり、
結果、経営がしんどくなったりするのです。

営業マンとして優秀だとしても、
店長として優秀であるとは限りません。

店長業務がしっかりとできなければ、
店の黒字化は難しいのです。

住宅会社の出店は、
まず店長が務まるスタッフさんの数以上にしない、
ということが重要なのです。

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