
7月が終わる。遅れていた梅雨明け宣言も青森に達し日本中が夏に入った。夏本番とはいえまだ暑さに慣れない身体を熱中症が狙っている。予防は「一人一人が気をつけて」と司会者が絶叫していた。言われなくても気をつけたい。この夏、ツバメにセミが少なくなった、とSNSに載るが断定できるのだろうか。
通りに並んでいる数本の桜の木の下は何匹のセミか分からないがセミ時雨状態、日差しを避けて見上げてセミを探す。葉陰の闇でおいそれとは見つからない。やっと見つけたのは3㍍ほどの高さの枝、鳴いているかどうかは分からないが、動く様子はない。やっとそれらしい今年の初撮りに成功した。
パソコンに収めてよく見るとセミの下側に昆虫らしき足が写っている。撮るときはセミだけを見ており気づいていなかった。分かっていればもう少し工夫して撮ったのに、ジャンケンでいう後出しと同じで何とでもいえる。もう一つ、セミの背中側にある2枚の葉、虫に食われて開いた穴が人の顔の様で、私にはセミに何か話しかけているように見える。これも後出しジャンケンと同じ発見である。
ああしておけば、こうしてあげればよかった、と思い起こすことは幾つもある。そんな反省を活かしたこともあるが、今日までの人生ではたしてどちらが多いだろう。万事休すと放り投げたことは思い出さないのは単なる忘却かもしれないが、救いとしたい。それにしても後で気づいた2枚の葉を食べた虫、人顔に仕上げたその芸術性に拍手を送る。