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1月が終わる。年金生活の夫婦2人暮らし、日々の暮らしにそれほど大きな変化はない。いや起きては困る。高齢者優待証なども届いており世間様に置いてきぼりされないようにと、新聞紙面は眼鏡を正しく架け直して目を通す。カタカナ文字の多さを時々嘆きながら。
98歳で詩人デビューされた柴田トヨさんは、今、100歳。こう話しておられる。「楽しいんです。若いときより今のほうが幸せです。今、花が真っ盛りに私の前に咲いているような気がします。皆さんのおかげです」。そして「あんまり苦しいことは考えないで、いいこと考えて、元気にね」と言われる。
そうか、そうだろうと思いながら、国家予算の時期になると年金額や医療費の個人負担はどう変わるか、そんなせせこましいことに気が回る。ケセラセラとはなかなかいかない。トヨさんなら「今を支えてくれる人に感謝し」「いいことを考えて元気にやっていきましょう」となるのだろう。
トヨさんは「毎日きれいに好きな化粧をする、用はいっぱいあるんです、やると疲れるから夜はよく眠れる、まあ百までがんばりました」「息子が怒鳴るときは私がばかになります」と百歳までスーット来られたような話し。そこに作品を愛でる多くの人を引きつけるところがある、そんな感じがする。
(写真:世の中こんない上手くは滑れない)