こんな話を聞いた。
通りがかりの道辺の柿木の葉が、料理の飾りにピッタリな色ずきを見て、その葉を所望した。持ち主のご婦人から「実もどうぞ」と快い返事をいただいた。
数個の実と葉を採りお礼を言うと「この木の実は全部持っていっていいですよ」と、そうして欲しい様な返事に戸惑った。そう言われても通りがかりでその準備もなく、ましてや初対面の方、困ったが持ち合わせていたポリ袋を一杯にして帰りました。戸惑われた様子が浮ぶ。
収穫されないで、熟した実が落下し押しつぶされた光景はよく目にする。子どものころからすれば思いもよらない現象に思える。柿の木のない者からすればただ「もったいない」とも思う。
畑の周りに実が満載の柿の木が10本ばかりある。眺めは見事だ。人手が無いのか、収穫のころあいを待たれているのかわからないが、ちょっと驚いた。店には干し柿が並んでいるのに。山間部では熊の餌になることもあるという。
柿の葉の飾り付けられた料理、いや、お料理とはどんな工夫がされているのだろう。
(写真:畑の周りは柿の実が帯のように続いている)