寒い、冷たい、そんな感じの2月・如月の晦日。春先取りかと思わせる日なかの暖かさ、公園を観光する人らの中には上着を手にする姿も多く、ソフトクリーム店は賑わっていた。如月は生更ぎの言葉通り、草木が蘇り蘇生するにふさわしい日和だった。
公園の噴水も温かさに促されたのか心なしか勢いを増しているようだ。風に流される小さなしぶきも心地良い。そんな気持よい散策の帰り道「よーい」と声をかけられた。庭から姿を見せたのは、2代続いた店舗を最近閉じた同期、心なしか元気がない様子に見える。
店舗跡は更地になっており、ひいきなものでどうしるのか気になっていた。聞くと「決まっとらん」と思索のいくつかを話すがそれが進まない苛立ちが続く。近くに納骨堂建築の話し、外国人の居住者が増え町の様子が変わった、若い人が居ない、人通りの復活策が見当たらない、など難渋のあれこれを聞く。
観光客誘致の策は進むが、一歩通りへ入ると振興策はなしという。「俺も歳だし旗振りは」で言葉が途切れた。春らしくなり草木は蘇生に向かって歩を進め始めたが、スーパーも消えた地域の振興にも目を向けてほしい、白壁から張り出した紅梅に願いを預けた。