青い空の下を歩いている。角を曲がったら正面の青い空に白い雲、美空ひばりの歌う花笠道中がピンときた。「これこれ 石の地蔵さん 西へ行くのは こっちかえ だまって居ては 判らない ぽっかり 浮かんだ 白い雲 何やらさみしい旅の空 いとし殿御の 心の中は 雲にお聞きと いうのかえ」。
というのは、同好会仲間に博識の人がいる。その人は歌謡曲にかけても広い知識の持ち主で、手持ちの資料も相当な量だと思っている。その博識の人が、先日「美空ひばり選曲集」を手作り、その中の一曲に花笠道中が含まれていた。聞き覚えで耳の奥に残っている歌の一つでもある。
殿御に変わる連れなどいない一人歩きだが、年甲斐もなく何か浮かれたような気分になるのは、曲のテンポの良さを思い出したからだろう。こうして思って見ると、美空ひばりはやっぱり素晴らしい歌手だった。音痴の私にさえ歌詞とテンポを思い出させるのだから。歌詞にある案山子や蓮華も身近なものでいい。最近の歌詞の難解さを改めて感じる。
今でも道中という言葉に合う旅姿がある。四国八十八カ所を歩いて回る人のFBを訪問している。咲き乱れる花畑やよく育っている野菜畑などなどを眺めながらの道、薄暗い林道や急な坂道、盆地の真ん中に続くのどかな道などいろいろ写真で紹介される。石の灯籠や道標などもあり花笠道中現代版というところだ。それにしても真っ青な空だった。