例年なら午前6時に打ちあがる花火、その音が聞こえなかった。近くの小学校、そこは60年ほど前に卒業した小学校だが、運動会の朝は花火を打ち上げて開催を校区へ報せるという何十年も続く恒例の目覚まし。四国沖を通過中の台風17号の持ち込んだ雨足はその花火を拒んだ。
2学期になって音楽やマイクを通した先生の大きな声がわが家にも聞こえる。紅白の帽子、時には衣装をまとった児童らの団体競技の練習を通りがかりに眺めたり、立ち止まり熱中症になるなよと思いながら木陰から見たりしていた。卒業記念と大きな文字の書かれたテントが張ってあるのは熱中症対策だろうか。
急に先生のいらだった大声に児童らが急いで整列する。現代っ子にも何十年前と変わらない微笑ましい光景や子どもらしい姿が残っていることにほっとする。徒競走の練習も見た。いつも皆の背中を見ながら後方を走っていた自分にはつらい競技だった。「徒競走は本番だけにして」、思い出しながらの独り言だった。
お昼前から雨が止み、運動会は1日延びて明日という。夕方には日もさし天気予報の晴れを保証した。ただ、月曜日になる。じいちゃんばあちゃんはいいとしても、勤めのある親御さんは子どもの練習成果を見れるのだろうか。盛り上がって欲しい。