
「2月も半ばを過ぎると少し冬の終わりを感じるというか春を意識し始めるます。手紙や文章を書くにも春を意識した言葉を多く使いたいのですが、今日のような日和だと雨水を過ぎても三寒四温、日陰は寒く、春寒や余寒などを使っております」。バス前席の婦人のこんな会話が聞こえた。窓から入り込む日差しは暖かいが車外は少し寒さを感じる日和の日だった。
日和、手紙や文章に「天気予報や天気図によりますと」と書くより日和と記した方が趣や情緒を感じる。いかにも秋らしい済んだ晴天の「秋日和」、雨が降っていた状態から突然晴れる「にわか日和」、晴れていると思うと雨が降り、また晴れる「狐日和」、冬の初めに少しだけ春のような温あたたかさの「小春日和」、日和もいろいろある。
運動会日和、遠足日和と表現するだけで、あれこれ言わなくても空の様子や風、空気の様子まで伝わり、楽しみな子どもらの行事をするに相応しい、いい天気だとわかる。こうした日和をもたらす人を晴男、晴女という人もいるが、逆の方が一般的なように思うがどうだろう。
2月も過ぎようとする頃になると、川風は冷たいが、昼間に歩けば着る物を1枚少なくしても汗ばむ運動日和の日が多くなる。桜のつぼみが膨らむにつれ汗ばむ日和は増える。その蕾に大きな膨らみは見かけなかったが花見日和もそう遠くないだろう。春告げ鳥の声を聞いた、もう筍を食べた人もいるとか、日和婦人に春よ早く届け。