雨上がり。見事な緑色の葉が茂った柿木。その色に惹かれ近づくと白い花と小さな実が幾つもある。それを何枚か写真に撮っていて何か小さな動くものに気づいた。
よく見ると、葉の間に見える小さなそれは頭部にぽっこりと膨らんだカエルの目、カメラに気づいているのかいないのか、じっとしたまま動かない。
カエルの横から後ろに回ってみる。舟形に丸く曲がった葉の色と見間違う同系色のアマガエル。これでは天敵の鷺や蛇から容易に見つからないない見事な保護色をしている。
雨上がりの後なのに背中は乾いている。雨の降りそうなとき葉の上でグーグーと鳴くアマガエル、また雨になるのかと思う。
子どものころはおたまじゃくしもカエルも遊びの仲間だった。カエルを追って田んぼの畦道を走る、手に乗せてジャンプさせたこともある。アマガエルに触ったら後で手をよく洗うように、教えられたことを思い出した。理由は知らなかったが小川で洗った。
保護色と呼べば天敵から身を守る色をさす。カエルは生きた小さな昆虫や蜘蛛などを餌にする。餌を捕るときは保護色と言わず隠蔽色と呼ぶ。
人の世界にも2色使い分けの人は多い。単なる市井の1人なら笑って済ませることでも、権力を持つ者の2色使い分けは許せない。大方の市民は単色で生きている。単色は光の七色の原色、単一の色をさす。
権力ある者は、単色の大きな怒りを受ける前に脱皮し、市民を安心安全の色で包む方向へ舵を向けて欲しい。
(写真:保護なのか隠蔽なのか見極めが難しい)