朝顔の種まきからそれなりの日が過ぎ、苗に育った順に狭庭に移植を始めた。その準備として弦が絡まり伸びるように例年通りプラ竹で支えを作りネットを張った。一粒20円の種の発芽率は75%以上と種袋にあったが、実績は80%ほどで基準クリアーとなっている。この歳になっても発芽前の盛り上がった土の膨らみを見ると何か嬉しくなる。
ネットは市販のもので縦・横1.8㍍ほどで、緑色の細い紐で網目がつくられている。使用後は洗って干して仕舞うことを毎年繰り返しているが、今年も現役で役目を果たしている。ネットを張り終えてしばらくすると今年もやって来た生き物がいる。大きさは2㍉あるなしの蜘蛛の子で当然だが蜘蛛の巣を張っている。
今朝はそんな小さな蜘蛛の子が網を張る姿を見た。体に似合わない速さで網を張っていくが、それは、まるで設計図でもあるかのように思える。DNAとして受け継がれた能力かもしれないが、人よりはるかに進歩していると感じる。それはこうして糸を張って網を作り餌を確保することを生まれながらに営んでいる。自然界の定めではあるが。
世の中の仕組みはよくできたもので、ネットの狭いひと区画に貼った細い糸の小さな網だが、蜘蛛よりも小さな生き物のような物が掛かっている。生きるために網を張ったのだろうが本当に餌として食すのだろうか。網の向こうに黒色の紙をかざして糸を写し込みながら思った。右上の白い点のように見えるのが蜘蛛の子です。