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「今夜も冷えるでしょう」そんな気象予報を当てにして試みる。アルミの半球状の容器に水を張る。その中に小ぶりのリンゴ1個をしたし軒下に置く。夜が明ける、雨も雪もなく、雲の見えない快晴の空に輝く星は冷たそう。外気は思わず首を縮める寒さで最低気温マイナス4.6度、予報通り冷えこんだ朝をむかえた。
軒下で寒中の一夜を過ごしたボールとリンゴと水、三つは寒さのなか協力したのだろう、逆さにしても、振っても別れないで凍って一体となっている。そうさせた寒さ冷たさ恐るべしと感じる。ボールを湯せんするとリンゴを抱い氷塊が取りさせる。半球状の氷の上部にリンゴのへたの部分がのぞいている。そんな氷塊を回しながら眺める。
リンゴがボールの中心に位置していないからだろう、氷塊を回すと閉じ込められたリンゴの姿が次々と変わる。達磨、二分の一に割ったリンゴ、リンゴ皿に盛られたりんご、ゆったりと湯船につかっているリンゴ、みんな違ってみんな面白い。そんな姿を撮る。
撮った写真の背景を削除して見ると、透明な塊に抱かれた未確認飛行物体の様にも思える。青空を背景にして未確認飛行物体らしきものを重ねてみる。子どものような悪戯写真の出来上がり。お笑いください。今夜は皆既月食、そして1月が終わる。