少し遅れてゴールした1人に待っていた先生が手を差し出した。児童席から拍手が起こった。遠くからではっきりしなかったが、身体の不自由な子供が完走したように見えた。印象に残った場面だった。
「運動会はやるよ~」。朝6時、近くの小学校から合図の花火が上がった。夜来の雨は夜明け近くに止んだ。いつもの登校時間、運動着姿で駆けていく子どもは天気の心配など無いようだった。
遊戯の音楽や競技紹介のアナウンスに誘われ運動会に足を運んだ。開会式のころは肌寒かったのではと思ったが、予報より早く、昼前には待望の日差しが子どもたちの元気な姿にさしはじめた。
どの競技も子供らの真剣な姿を感じた。遅れてゴールした仲間への拍手、自チームを応援する大きな声、2学期になっての練習と準備を思いっきり出し切っているように感じた。世間が心配している学校と子供たちの問題は少しも感じなかった。
運動会を終えて帰る子らの声には、疲れよりも楽しかった運動会が感じられた。
(写真:煙硝のピストル音で走り出す)