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これは本文とは関係なく筑後市羽犬塚の羽犬の勇姿。クリックで画像は拡大します。
◆紅茶が好き。使うのはもっぱらティーバッグですが
仕事場には電気ケトルを置いている。紅茶のコツはただひとつ。熱いお湯を使うこと。軟水なら水道水で全く問題ないとリプトンの人は言ってた。温めたポットにティーバッグを入れて熱い湯を注ぐ。リーフティーを使っていたこともあったが、仕事場ではごみの捨て方の簡単さが大事だ。ポットは保温する。ただ熱い湯でありさえすればいいので簡単である。ポットを保温するのに、ティーコージーなどという小じゃれたものを買ったり縫ったりする必要もない、使ってないニットやフリース地の帽子を使う。フェルト化してかぶれなくなったウールニット帽などあれば尚よし、である。今使ってるのはユニオンジャック柄のニット帽。手作りしたいと思わないでもないのだけれど、ニット帽も可愛いよ。
沸き立てのお湯というのは必須である。いつかテレビドラマの「相棒」で、杉下右京警部が列車の中で紅茶をいれているのを見かけたことがあるのだが、どうやって熱いお湯を調達したのだろうかという疑問はある。
リプトンイエローラベルだって、きちんといれたらおいしい。ファストフードの紙コップティーバッグも紙コップを手持ちのハンカチか何かでくるんで保温してみよう。香りが格段と良くなる。アールグレイはトワイニング。いちばん普通にスーパーで売ってるから。レディグレイも好きだ。アールグレイは近所で宝石店をやってたスリランカ出身の女性から缶でわけてもらっていたものが、ともかく濃密でおいしかったけど、宝石店は西新に移り、今はなくなっている。 デパート地下食品売場で紅茶を試飲させているのを見かけるけど、香りが出ていないことが結構ある。せっかくのお高い茶葉が勿体ない。紅茶を日頃から飲んでる人が売っているのなら、マニュアルがちゃんとしてなくても、そんなことは起きないと思う。ともかく熱いお湯とポットの保温。それだけです。
そうこうしているうちに、夏休みが半分終わった。休みでもなんでもないわけだが。月前半は風邪に喉をやられた。咳は、筋力弛緩剤入り市販薬で止めたものの、未だにややハスキーボイスである。元気なんだけど。「あつがなついぜっ」(出典『ピンポン』松本大洋)。美しい夏雲の写真を撮ったりしている。
◆夏なので、冷やし中華をつくる(BGM 「今日の料理のテーマ」冨田勲)
料理番組や雑誌記事で見た献立で、すぐ作ったものは、レパートリーになることが多い。若い頃よく買ってたファッション雑誌に(帝国ホテルの)故・村上信夫さんが簡単な洋食を紹介する記事が連載されてて、その中でも、キャベツ一個まるまる使って、楊枝を使わないで巻き、鍋底にぴったり並べて煮るロールキャベツとか、バター、ケチャップ、塩胡椒だけでとてもおいしく出来上がるチキンライスは、いまだによく作っている。
冷やし中華は、どの人が紹介していたのか、かなり昔にテレビで見た。簡単なのでメモする必要もなかった。麺は生麺、乾麺、油揚げ麺、何でもいい。ともかく茹でて水洗いして水を切って、ゴマ油をまぶして冷やしておくこと。鶏肉は茹でて刻んで冷やす。あとは胡瓜、トマト、錦糸卵など好みの具を用意して、醤油、酢、砂糖を混ぜ、鶏の茹で汁で伸ばしてスープとする。盛りつけてできあがり。30年以上作ってる。カロリー過剰にならないために、最初に捨てる熱い麺の茹で汁を、もやしを入れた鍋に入れて、茹でもやしを作り、それも冷やして麺に混ぜて盛りつけている。載せて盛りつけてもいいんだけどね。
冷やし中華とチキンライスについては、家で作ったのがいちばんおいしいと思っている。材料費がかかるものでもないのだが、そういうものだからこそ、材料がものを言うのだと思う。べつにブランド鶏や高価な卵を使っているわけではない。たとえば、ごま油もバターも、食油としては高いものだが、家庭で使う1回分の材料としてみれば、それほどのものではない。バターを1回の料理で50グラム使ったところで、バター高騰とはいえ100円くらいのものである。たぶん外食では、そのバターやごま油を、コストカットの材料にされているのだと思っている。
◆役に立つ料理本
たとえば、テレビに良く出てくる料理人さんで、有名な料理教室を開いている人の本のメニューであっても、透明になるくらい卵焼きにお砂糖がたくさん入るとか、豚を角煮にするのに大根おろしをまぶして蒸すとか、そんなレシピはあまり自分には現実的でなかったりする。好みの味だったり料理が簡単だったりする、自分が使える本でないと結局見なくなるのだ。で、使える料理本としては、『割合で覚える和の基本』(村田吉弘著、日本放送出版協会)はおすすめである。これを読むと、大概の家庭の冷蔵庫は片付くと思う。もしも家庭に「おでんつゆの素」「肉じゃがのたれ」「生姜焼きのたれ」などがあれば、それはすぐ捨てたくなるはずだ。「めんつゆ」さえ、自分で作った方がおいしいことがわかる。大概のものは「醤油、みりん、酒、だし汁」あと「酢、砂糖、塩」(あとは生姜とか唐辛子とか)があれば調味できてしまうのである。肉じゃがは、醤油とみりん「だけ」があれば調味完了である。あとのものは「一切」必要ない。「合わせタレ」を買う必要がない、ということは、用途別にタレを買う必要がない。半端にタレが残らず経済的であるし、その分、良い醤油や味醂を買えるから、料理がよりおいしくなる。
◆真夏は、いきなりやってくる
先週木曜から真夏になった。ああ、それまでは真夏じゃなくて単なる夏だったんだな、と。高村光太郎は「きっぱりと冬が来た」と表現したが、真夏も結構きっぱりと、否応無しに、断固として、ひとおもいにやってきた。まさに「あつがなついぜ」(←出典『ピンポン』松本大洋)である。高温と湿気と日差しがセットでやってきて、蝉時雨がそれにかぶさる。凶暴な日差しには、銀色の日傘で抵抗する。もはや日焼けなど気にはしない。暑さに耐えるために日傘を使い、日に当たって疲れるから腕に日焼け止めを塗るのである。できるかぎり家にこもってじっとしていたいが、そうもいかない。
◆無花果のジャム
スーパーに行けば無花果が出ている。無花果って、フルーツなの♪という華やかさに欠けている。ぼやーっとしたお味で、何か独特の土臭さみたいなものがあり、甘い新品種が出ているが、形状的にも地味な果実であることは否定できない。
だけどね、おいしいから買う。
そのまま食べるのもいいけど、ちょっとさわると大化けするから。
皮をむいて、アイスクリームとか練乳とか、ミルク系と合わせると、超おいしいデザートになる。
それから、ジャム。水を加えず砂糖と火にかけ、レモンかライムで酸味をちょいと加えると、元の果物が何であるかちょっとわからない、赤い謎のジャムができる。いちごやりんごと違い、無花果の果実はすぐ煮えるので、あっというまにできるから、夏に作るのに向いている。それが、確かに無花果の味がするのだが、それがまあ激ウマなのである。ペクチンが多いので、砂糖をたくさん入れなくてもジャムらしく仕上がる。そのままパンやアイスクリームに塗ったりかけたりしてもおいしいけど、トーストにバナナスライスをのせて、その上からちょいちょいと無花果ジャムをのせてみたら、これはびっくり。ほかの生フルーツと合わせてみたいとも思うけど、とりあえず、バナナとすごく合う。ぜひお試しを。