発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

宮崎だ

2016年02月23日 | 旅行
◆宮崎
 土日と宮崎市内で急な所用、時々撮影。その後一泊して日南市飫肥で撮影。
 土曜日の用事が朝早かったし、前日も夕方まで福岡で用事があったため、空路で宮崎。
 九州のほかの県はかなり行ってるのに、なぜか宮崎はじめて(肥薩線真幸駅は例外として)だし、プロペラ機もはじめてなのでウキウキである(←子どもか)。
 荷物受取りの時間などないので、最少限の荷物を黒くて四角いよくあるショルダーバッグに入れて行く。
 早朝便だし、雨だし、福岡空港へは地下鉄一択である。
 よく揺れて少し遅れて宮崎空港も雨。
 空港からタクシーの経費が先方から出ることになっていたが、行き先方向の列車に間に合ったので、反射的に乗る。時刻表でしか見た事なかった宮崎空港線だ。田吉から列車は日豊本線となり、これも当然はじめての区間。宮崎を経て佐土原駅からタクシー。途中宮崎交通の回送バスを見る。
「すみませんが回送中です」の表示。なんと低姿勢な!!
 佐土原ミッションを終え、そこにちょうど駅ゆきの路線バスがやって来たので反射的に佐土原駅まで乗る。交通系電子マネーがちゃんと使える。でJRで宮崎駅。
 宮崎駅近くにお泊まり。
 九州内単独仕事は大概日帰りである。博多や天神発だと交通費も安い。出版仕事の場合、経費は自分の会計であるのでここんとこ重要。バス電車便で確実に間に合う限り先方の負担であってもタクシーは使わないのも普段の習慣からである。
 それにどの県に行くにも大して時間はかからない。
 ところが宮崎は時間がかかる。大分まわり特急電車で5時間半はかかるし、博多から新幹線で鹿児島中央まで行き、そこから宮崎行きの特急に乗るコースも4時間はみといた方がいい。新幹線使って新八代で大慌てで高速バスに乗り継いで計約3時間というのが公共陸路で一番早いし、全行程高速バスだと4時間半くらいでとても安いけど、高速バスに遅れはつきものである。ちなみに夜行は、列車もバスもない。したがって急ぐとき、朝早いときは空路となる。
 そういや、単独お泊まりも久しぶりだぁ(←浮かれている)。
 だが、前日からのバタバタと朝からのバタバタで、チェックインして持参のコーヒー(個別包装のドリッブコーヒーって便利)飲んだらもうお外には出られない。今日の内容をまとめてバタンキュー。コーヒーを飲んでても爆睡である。
 翌朝はスッコーンと晴れている。朝ご飯に出てきたとりごぼう飯がおいしい
 駅は、巨人、ソフトバンク、オリックスなど野球チームと、サッカーチームのキャンプ案内がいっぱい。
 市の広報の表紙も、プロ野球キャンプ特集である。駅前には、キャンプ地直行のバス停が設置されている。
 明るくて広々してるというのが宮崎市内の印象。
 街なかに、他県だと保存樹レベルの大木が普通にある。宮崎神宮近く県の美術館博物館市民ホールのあるゾーンには、公園隣接している。晴れた早春の日曜ということで、家族連れで賑わっている。芝生の上で遊べる開放的な公園だが、ぽつりぽつりとクスノキの大木があり、あちこちにステキな木陰を作っている。その隅にあるシルクハットの銅像は小村寿太郎。日露戦争時代、先日紹介した金子堅太郎を米国派遣した外務大臣そして日露講和のポーツマス条約の全権大使である。日向国飫肥藩の出身なのだ。
 スーパーを覗く(ケンミンショー気分)。
 練り物天ぷら類が充実している。チキン南蛮もあるが、一番驚いたのはサバチャーハン450円である。見た事ないぞ。肉巻きおにぎりをおやつに買って公園でちょいとひと休み。激ウマに絶句。肉巻きおにぎりは、宮崎名物で、駅などの土産物屋で、真空包装のものを売っているが、肉が巻いてない場所のご飯表面がカリカリにタレ焼きしてあるところなんかは、真空包装じゃムリである。
 この日も、流れるように用事が済み、やはりバタンキューである。

◆日南線で飫肥(おび)へ
 最終日は朝から完全フリーである。となると現金なまでに元気に起きて、日南線に乗り、飫肥に出かける。曇天。
日南線も当然はじめてである。宮崎からほぼ日向灘に沿って南下、鹿児島県の志布志まで行くディーゼルである。
 車窓からは青島海岸名物「鬼の洗濯板」が見えたりする。
 1時間10分くらい乗ったか、飫肥に着く。
「歓迎、広島東洋カープ」の文字と、バットを構えたカープ坊やの横断幕。カープのキャンプ地なのだなと。駅から数分歩いて城下町に着く。
 町並み保存について長い間努力が払われてきたことが伺える。旧電電公社マークのついたマンホールがあって、電話線の地中埋設を昭和の間に済ませた地域だということがわかる。建物の色彩や素材について制限があるのだろう。統一されていて、ともかく絵になる。チキン南蛮丼弁当を買って、今日もピクニック気分である。
 飫肥城に向かう途中、小村寿太郎生誕地の碑がある。そこは同時に、文化年間、伊能忠敬がここで計測したという看板も立っている。
 武家屋敷跡の石垣は、それぞれの家で趣きが違う。藩校の建物が残っている。広い敷地。小村寿太郎の胸像とともに、西南戦争飫肥隊で活躍した小倉処平の碑がある。
 飫肥城本丸跡は、立派な杉の林である。
 裏手からは、飫肥中学校のグラウンドが見えるのだが、これはちょっと驚いた。
 野球場、サッカー場、陸上トラックが完全独立して設置してある。陸上トラックの内側は、ハンドボール場であり、地続きにテニスコートが2面。さらに地続きに何があるのだろうか、ともかくグラウンドがやたら広いのである。一周1キロメートルどころじゃないんじゃないか?
 特筆すべきは野球場の隅にある、ネットで囲まれたブルペン。公立中学校でブルペン!! これはびっくり。
 練り物を天ぷらにしていたので、種類ごとひとつずつ買う。おび天(鹿児島でいう、さつま揚げ、な感じ)というらしい。甘いめの味つけで、フワフワしている。ごぼう、えびなどいろいろな味があったけど、一番好きだったのは、ゆず唐辛子味だ。
 そのうちに時間が来たので飫肥駅まで歩き、南宮崎の終点まで爆睡。そして帰路につきました。
 「海幸山幸」などの撮り鉄もいろいろできて大満足でした。
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インフレが起こらないのは当然かもね

2016年02月18日 | 日記
この程度で忙しいなんて言っていては、なんにもできないまま人生が終ってしまうよ。QC活動で職場の能率アップ。ゼロ災運動で明るい職場、と、つぶやいてみる。

◆マイナス金利ってなんだ?
通過供給を増やし、日銀の貸し出し金利がゼロからマイナスになって、それでも当局の目論見通りのインフレはなかなか起きようとしない。株価も上がらないでむしろ下がったりしてる。
 金融政策は、一般ピープルを舐めているから成果が上がらないのではないか。そんなことでインフレになるわけがなかろう、と、学生のとき金融論を落とした(笑)(まあ、必修でもなかったことだしさ)私は思う。こうゆう学問は誰か頭のよろしい他の方がなさることだわ、と思ったものだが、頭のよろしい優秀な方がなさってもうまく行かないのだから、難しい。経済は生ものである。
 以前「バブルへGO! タイムマシンはドラム式」(2007年)という映画を見て、あのバブルの時代を懐かしみ、続けば良かったと正気で考えてる連中が存在することに呆れたものである。同じような考えの人が金融政策を行なっているような気がするのですが、先生? ただ、金融政策を行なっている人たちは、時代と状況が本当に読めているのかと優秀でないシロウトは思う。
インフレデフレについては、小学生のころ、美濃部亮吉の経済学えほんで学んだ。需給バランスが物価や景気を上げ下げするんだ。ふーん。不景気になると失業者が増える。失業者がコートの襟を立て風に吹かれる帽子男として描かれていた。失業とは寒いことなのだなと思ったものだ。

◆構造的貧困と構造的生産過剰の循環
・収入が増えたら切実に消費を増やしたいと思っている層の収入が増えていないから、ない袖は振れず消費が増えない。
・おそらく現代は人類史上未曾有の生産過剰の時代である。合理化と海外生産と機械化とで、安いものがたくさん出回っている状況は30年前よりもはるかに進行している。30年前とは違う生産過剰。いいものかどうかは議論の余地があろうが、安く売ってるのが当たり前という世界がある。100円ショップの充実ぶりはどうだ。独自のヒット製品(もしくはサービス)が出せなければ、よそでも似たようなものを安く大量に提供できるので、買い叩かれてしまう。やむなく非正規雇用を繁忙期閑散期の調整弁にして、正社員は常に超繁忙、低賃金不安定な非正規雇用の人は増えていく。そして、収入が増えたら切実に消費を増やしたいと思っている層はどんどん厚くなるものの収入が増えない状況は続く、と、最初の話に戻る。
 生活保護以下の貧困に陥っている子育て世帯は2012年で146万世帯、それまでの20年で倍増した、と、先日の毎日朝刊にあった。
 ようするに、構造的貧困と構造的生産過剰の循環が生じているわけで。通貨供給と金利引き下げが効かない。
◆バブルで学習した人のことを見落としてはいないか
・お金がそこそこある人も、バブルの記憶(お祭り、突然終了、その後どうなるまで)がある人が多いから、借金してまで、株や、自分が使う予定のない不動産に手を出す一般人は、少なくとも30年前のようにはいないだろう。
・バブルの記憶(どんどん貸してハシゴをはずす銀行)(貸し渋り、貸し剥がし)があるから、事業者とて、設備投資に石橋を叩く。30年前ほどには設備投資はしないんじゃないかな。
・物価がさほど上がらないので、預貯金金利がゼロになったところで、リスク背負ってまで投資に慌てて走る必要がない、というのもある。

 金融政策の効果があらわれないのは以上の理由だとシロウトは思う。で、あらわれるのはマイナス金利のデメリットばかりなのではないかと。これからどうなるのか。
 需要に追いつく供給過剰ではインフレは起こらない。インフレが起こるとしたら、生産を低下させるほどの天変地異か、事故か、国際的紛争である。そこで憲、おっとっと、それは違うと思うが。
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黄金のアフガニスタン展

2016年02月08日 | 物見遊山
◆黄金のアフガニスタン展
 九州国立博物館。
 博多に出てバスで太宰府に向かう。
 ランチは天満宮参道の「白梅」で豆腐ハンバーグ。抹茶つき。豆腐ハンバーグは結構大きい。お野菜中心で、薄味で、人間を真人間にしてくれそうなご飯でありました。外食で野菜中心で薄味、しかもお手軽というのは貴重であります。
 さて、九州国立博物館。地元民なので1年有効のパスポートを当然買う。3100円で特別展(年4回)は1回ずつ観覧できて、常設展はフリーパス。あと2回ほど京都か奈良か東京の国博の特別展に行けるのである。学生となるとこれが1100円(近所の大学でも会員になってないところは例外だけど)なのだ。
 1世紀頃の金細工は叩き出しと思われる繊細な細工。ターコイズやガーネットと組み合わせててキラキラである。ギリシアの神々の小さな金細工は、宝飾の展示会(のカタログを作る仕事を昔してた)でしばしば見たことがあるが、もともとこちらがオリジナルなわけである。薄い金属板を水槽に見立てて板金の魚のヒレをゆらゆらと動かすしくみは、観覧者が実際に動かせるようレプリカで再現してあった。夏休みの工作なんかで作ってみたいと思う小学生もいるのではないか。
 仏像のいくつかはアルカイックスマイルをたたえ、ギリシア風の柱頭も来ている。ニカッと笑った、禿でヒゲのおじさんの樋口(といぐち、水がでるところ)は、マンガ的である。
 あのアフガニスタンである。ソ連が侵攻したり、政情不安定だったりする中、博物館のお宝を戦火から守るための、生命をかえりみないプロジェクトXが遂行されたのである。それで生きのびた展示品が世界中を巡回しているのだ。
 普通に平和に展示されていたのであれば、アフガニスタンに行かなければ見ることのできなかったかも知れないものなのである。展示物も、2000年を経て、カワイーとかウケるーとかオモシローとか、極東のオバハンに言われることになるとは夢にも思わなかっただろう。

◆玄界灘ビルディング
 お昼が軽めだったのは、あとで梅が枝餅を食べるためというのもある。椿の咲くお庭を見ながらいただく。外側がカリカリの焼きたて餅と、おいしいアンコで幸せ気分。
 太宰府は相変わらず賑やかである。春節のお休みで、一層多いんだろうな。
 福岡都市高速からは、しょっちゅう国際ターミナルに巨大な客船が停泊してるのが見える。釜山へ行く定期フェリーも結構大きい(定期船ニューかめりあは、定員は500~600人だったと思う)が、ずっと大きい、2000人台後半とか、5000人近く乗れるクルーズ船が、チェジュ島経由上海行きなどのコースで中央埠頭や箱崎埠頭に出入りしてる。もはや乗り物には見えず、海上に浮かぶ、どでかいビルの様相を呈している。小学校の社会科見学の予定に支障が出るほど貸切バスが不足しているのも納得である。
バス不足、運転手不足が巡り巡ってスキーバス事故の惨事につながったりすることもあるのだ。
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ビジネスモデルとしてのジャニーズ

2016年02月03日 | 日記
◆憧れのクールな角兵衛獅子?
  近頃は、出先でテレビにSMAPのみならず、ジャニーズ、と、私が認識している誰を見ても、哀愁というか悲哀というか、を感じるようになった。
 今後どんな気持ちになるかは、もちろんわからない。
  でも、今は、彼らが唄ってても話してるのを見ても、どこか不本意にさせられてる感がして、売れてる彼らが、たとえ香取君が自著で紹介したように、どんなに高価な服が好きなほど買えようが、脳内に太くて大きい書体で「角兵衛獅子」という文字が浮かんで来てしまうのだ。
 件の会見は、ジャニーズが、中年を含む角兵衛獅子(知らない方は検索してね)集団をつくり維持するビジネスモデルであることを、堂々と公共に知らしめた、歴史的な出来事なのではありますまいか。
  企業戦略として、それはどうなのか。
  アイドル角兵衛獅子ってありなのか?
  ありかも?とも思ったが、憧れの角兵衛獅子、とか、クールな角兵衛獅子、とか、やっぱりあり得ない。アイドルは、見た目可愛くて芸が巧いだけでなく、憧れの、クールな存在であることが要件であると思うが、移籍という職業選択の自由を主張すると公開処刑的会見をさせられてしまう集団に、憧れの熱視線を、今後送れるのか?
  あの会見で、誰が勝ったのか。
 「ビジネスモデルとしてのジャニーズ」の、終わりの始まりのような気がする。

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