発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

このイカれた世界の片隅で

2021年12月30日 | 日記
このイカレた世界の片隅で生きる
名もなく貧しくおまけに美しくもなく
正気を保つのにも決意が要るありさま

たまにひどく落ち込むが憂鬱にやられている暇もない

あのひとたちに私のかわりに
考えてもらうわけにはいかない
毎日それだけは確信する
持ち駒はあとどれだけ
どうする
こういうのも面白いじゃないか
肩をすくめるが
拳は握り締めている

怒らないで食い物にされる組には入らない
いつのまにか正気を失っている組にも入ってたまるか
問題は怒る暇がないことだ
だが考えるのを止めるな

このイカレた世界の片隅で生きる
今自分のいる場所をサンクチュアリとして
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『あれから七十六年』 近日発刊 難民は遠い国の見知らぬ人々のことではなく

2021年12月10日 | 本について
『あれから七十六年』ISBN978-4-901346-72-6 定価1650円(本体1500円+税)
◆難民は遠い国の見知らぬ人々のことではなく
 ネットを見ていると、難民にまつわるニュースや寄付を募るUNHCR国連難民高等弁務官事務所の広告が出てくる。気の毒にと思う人がほとんどだと思う。
 難民は、どこか遠い国の見知らぬ人々のことではない。76年前、戦争に負けて300万人をこえる日本人民間人が「引き揚げ者」と呼ばれる難民となった。住まいを失った上に、人々の多くはすぐには帰国できず、無法地帯と化した場所で、ほぼ自力で寒い冬を越さないといけなかった。満洲だけで100万人、赤ん坊から老人から、弱い人もお構いなしにである。
 ちばてつや氏の漫画などで紹介されているが、祖父とか曾祖父の年代では、日本人として、難民はそう珍しい話ではなかった。他人事ではない。  
「暴力と迫害から逃れて、険しい山道を越え、 ジャングルに隠れ、川を渡り、夜じゅう歩き続けて…。わたしたちは命がけで、 ひたすら安全な地へ急いだ。(ミャンマー/ロヒンギャ難民 )」
「現在、レバノンなどシリアの周辺国に避難しているシリア難民は約564万人※を超えています。これから訪れる冬の厳しい寒さは、着の身着のまま逃れてきた難民のすでに困窮している生活を容赦なく直撃し、特に幼い子どもたちや高齢者などは命の危険にさらされます。※2021年9月現在 」(いずれもUNHCRの広告記事より)
 過酷な状況に胸が痛むが、そっくりそのまま多くの日本人民間人が経験したというと、信じてもらえるだろうか。人々はどのように過ごし、どうやって港に向かい、船に乗り、帰国してどのようにして暮らしていったのか。今回は、二十二人の体験記を『あれから七十六年』として上梓する。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鯛だしおでんを作ってみた

2021年12月02日 | グルメ
 寒くなってきました。そんなときはおでんですね。
 おでんについては、カレーライス、ハンバーグと同じくらい、各家庭千差万別の材料と作り方があるのだと思う。私とて作り方を決めているわけではない。だから単なる今回のおでんについて。
 なぜおでんを作ろうと思ったかというと、先日電車を降りたところにあった博多駅ホームの居酒屋(うどん屋ではない。期間限定らしい)のメニューに「鯛だしおでん」というのを見つけ、「あらおいしそうじゃないの」と思ったの。で、おととい、ハローデイ(主に福岡県で展開しているスーパー。30分ごとに4種類のオリジナルソングを放送する)で鯛のアラを買い(部位にもよるが、ここは、うろこが比較的きれいに取ってあり調理しやすい)酒と生姜とみりんと仕上げに醬油で炊いた、その鯛のスープを使っておでんを作るのはどうかしら、と。
 大根は切って面取りして電子レンジ、卵を茹でる鍋でこんにゃくも下茹で。
 野菜をたくさん食べたいので、今回はロールキャベツも入れる。芯を抜いたキャベツとお湯を入れた鍋を火にかけキャベツの葉を一枚一枚きれいに茹だった状態でむいていくのがこの調理で一番手のかかるところだけど、この場合ロールキャベツは主菜ではないので、使いかけのやや小さくなったキャベツでかまわない。
 中身は、通常のロールキャベツと同じく普通のハンバーグ種でもいいけど、和風に鶏つくね風の種で作ってみた。鶏ひき肉と玉ねぎと長ねぎと生姜のみじん切りと醤油少しをよく混ぜてお団子にして、キャベツで巻き巻き。
 で、鯛スープを漉して、それに白だしと酒とみりんと醤油を加えた濃いめのうどんつゆ的なものを作り、保温鍋に入れて温め、大根、こんにゃく、厚揚げ、ゆで卵、ロールキャベツを投入する。卵とロールキャベツは寝る前に引き上げ、残りはそのまま保温鍋で一晩置いとく。
 翌朝、大根とこんにゃくの半分とスープを少し引き上げ、冷蔵庫に(これは追加用。鍋のスペースを空けるのと、煮すぎグダグダ大根を防止するため)。鍋の空いたところにざっとお湯で洗った練り物とゆで卵とロールキャベツを入れて少し煮る。仕上げにがんもどきなどのすぐ煮える具を入れたらできあがり。
 鯛だしは、大正解でした。お試しください。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする