発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

21世紀版 映画アニー

2015年01月27日 | 映画
 21世紀版、アニー。T-JOY博多。
 言わずとしれたシンデレラストーリー。
 かなりネタバレしておりますが、歌や踊りや画面が楽しく、ネタバレ文など何の役にも立たないから問題ないと思います。

◆泣けるTOMORROW
 レストランに置き去りにされ、今は、ミス・ハニガン(キャメロン・ディアスだっ)を里親とする少女たちのひとりとして共同生活を送っているアニーは10歳。
 金曜日、教室で、20世紀のアニーの時代、ルーズヴェルトとニュー・ディール政策についての発表をしたあと、放課後、ニューヨークの町を駆け抜け目的地まで急ぐ。両親が自分を置き去りにした店に来るかも知れないと。でも、今日も来ず、閉店の時間になってしまった。
 ミス・ハニガンの家に福祉課の職員が視察に来た。そのときに落とした書類で知った自分のID番号を頼りに、役所に出向き、自分自身の情報開示申請を行うアニーだが、すでに自分が知っている、レストランに置き去りにされていたという事実しか情報はなかった。子どもだから誰かが隠していたわけではなく両親のことなど本当にわからないのだと思い知る。
 有名な歌TOMORROWをそこで歌うのだ、アニーは。いきなり泣ける。が、泣くのはそれまでで、あとは楽しく鑑賞。

◆21世紀的ゴージャスライフ
 いっぽう、成功したビジネスマン、携帯電話会社のCEOで、お金で買えるものは何でも持ってる男スタックス、彼は、次に求めるもの、名誉や政治的権力?のために、ニューヨーク市長選に出馬している。もちろんお金にものをいわせての選挙戦。選挙運動は完全情報戦で、何をやってもネットに動画投稿され、それが支持率を上下させる。いかにも21世紀的だわね。
 事故に遭いそうになったアニーを助けたスタックスの画像がネット投稿された。
 彼の選挙参謀は、アニーを選挙運動に利用しようとする。そういうわけでアニーはスタックスの邸宅で生活することになる。さあ、観客は、アニーと一緒に21世紀的ゴージャスライフへご招待というわけ。
 大富豪の邸宅はヘリポートつきのペントハウスで、数々のハイテクな仕掛けがある。30年くらい前だとそれこそ魔法である。
 車はおそらくはキャデラックあたりのSUV。米国大統領専用車と同じものではないかと。昔の大富豪との一番の違いは、リムジンかSUVかということではなく、使用人の数である。映画に登場するスタックスの個人スタッフ(会社で働く人々を除くということ)は、雇われ選挙参謀と、秘書と運転手(ヘリの操縦もできる)のみである。
 最後、スタックスは、選挙戦を取るかアニーをとるかの選択を迫られる。まあ、こういう映画なので結果は推して知るべしですが。
 ハニガンさんも幸せになれるのよ。
 それにしても、20世紀版アニー。劇場で観たはずなのに、ほとんど記憶にない。赤いワンピースのアニー。こんどレンタルしてみよ。



  
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成田亨 美術/特撮/怪獣展 福岡市美術館

2015年01月21日 | 物見遊山
◆特撮と怪獣の世界にシュワっとご招待
 地元民としては、可能な限り平日に行く義務があると思っている美術館特別展である。途中あちこちで道路工事をしていて片側通行などに行く手を阻まれた。これもまた年度末が近い時期の風物詩である。ともかく美術館の駐車場にたどりつく。

◆ウルトラマンとわたくし
 その夏、19歳の私は、ウルトラマンショーで、ちびっ子たちに冷たいカルピスを振る舞うバイトをしていた。マイナス20度の冷凍室に入ってクラッシュアイスを貰い、40度になる炎天下のスーパー屋上で、ひたすらフルーツカルピスを作って配るという苛酷なバイトもまだ学生だったからなんとかなったのである。
 ウルトラマンショーのことはあまり記憶していないが、ウルトラマンの中の人がノビてしまい、ちびっ子たちのためのサイン会が中止になったのは記憶している。確かにあの暑さでは3分間しか戦えまい。

◆ウルトラマン♪
 開店まもない美術館。
 成田亨氏は、ウルトラマンをデザインした人。映画の特撮の人。2002年に亡くなった。
 彫刻家としての作品もすごいし。
 怪獣や超人キャラクターやのりものなどの膨大なアイデア画スケッチに圧倒されながら会場をめぐる。
 ウルトラQの人気キャラクター、哀愁あふれるカネゴンが懐かしい。
 バルタン星人、ピグモン、ダダ、ガマクジラとか、私でも記憶している怪獣もいっぱい。
 ウルトラマンの原案は半魚人的なものだったのねとか。
 ウルトラマンのキャラクターはいまはターミナル商業ビルの宣伝に使われているけど、そういうのは好きじゃなかったのね(『鎮魂歌』)とか。
 SF系ばかりで活躍した人ではない。映画「麻雀放浪記」で使われた終戦後上野のジオラマ模型(松坂屋の建物でなんとか上野だとわかる)とか、「この子を残して」の長崎原爆投下場面の特撮絵コンテとか。
 大迫力だなあ。
 鑑賞するのに結構エネルギーが要った。大濠ミスドで相葉雅紀の新ドーナツとカフェオレ。
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日田

2015年01月08日 | 物見遊山
 今年は何ができるかな。そう思いながら、今日は日田。
 
 駅から5分くらいの食堂の日替わり定食は、がめ煮が添えられたブリの照り焼き。別皿には黒豆と厚焼き卵で、ちょっと正月な雰囲気。すっかり気分は井之頭五郎。おいしゅうございました。
 町をぐるぐる歩く。町はとてもきれいで、よい子たちが見知らぬ旅行者にあいさつしてくれる。古い建物が残り、新しい建物もシックである。今日は、咸宜園教育研究センターの見学がメインである。咸宜園とは、江戸時代から明治時代にかけて当地で展開されていた私塾で、九州はもちろん全国から生徒が来て学んでいた。創始者である広瀬淡窓は、ゆるキャラ化された着ぐるみ「たんそうさん」となって、今は日田の観光宣伝をしている。
 咸宜園教育研究センターは、まだ新しい、上質な木材の匂いのする建物だ。展示スペースを眺め、解説ビデオを見て、関連図書を閲覧。図書の閲覧は自由にできるけれど、職員さんたちの仕事場とつながっているため、集中せざるを得ない。
 咸宜園の教育は、幕末明治の混乱した時期を生きるのに役に立ったと思う。身分などを問わないというのは、松下村塾と共通している。
 咸宜園関連史跡は、日田を、単なるいわゆる小京都的な都市ではなく文化的な町にしている。

 帰りに駅前で蕎麦饅頭を買う。これが日田の名物。小ぶりでおいしいのよ。
 

 
 
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大分

2015年01月04日 | 物見遊山
 大分駅周辺は再開発の最中で、コンコースはすでに完成していたが、駅の建物=OITA GITY は、まだ未完成で工事が進行中である。駅前広場には重機が出ていて、大友宗麟さんの像はどこかに疎開しているようで不在だった。
 そのコンコースがなかなかに豪華である。ニワトリの像がいくつかある。リアルにその大きさであればちょっとこわいかな、という大きさで、格調高く仕上がった像だが、よく見ると愛嬌のある表情をしている。駅構内スーパーはCO-OPが出店しているが、ちょいといいものを置いているかも、と期待させるつくりだ。

 どこで何を食べるべきか、あまり調べもせずに来た。でもま、ガイドブックなどあまり見ないし、ホテルのランチタイムも終ってる時間だ。ならば、デパートの食堂であるな、と思い、駅近くのトキハの階上にあがる。デパート食堂の定番、銀座トリコロール系の運営だとしても、何か地域性のあるものがあるだろう。
 あった。とり天定食。
 ふわふわの衣のとり天と、ごはん、味噌汁、きんぴらごぼう。
 レモンのかわりにレモン絞りにグリーンのカボスが挟まっている。こうでなくては。酢醤油に辛子でいただく。
 ワンフロア上がると、ギフト解体セールをやっていたのでチラ見。レンズ豆やヒヨコ豆の水煮缶が安かったが、こんなものを抱えては動けない。アレキサンドリアのジュースとチョコレート菓子を、おやつに買う。

 市内を歩き回り、駅に戻る。
 駅では豊後牛コロッケを買う。大きめ110円なり。細かいパン粉にいい油。芋のつぶし具合、玉ねぎの混ざり具合、味付けが絶妙。実際人気で、よく売れていた。博多天神のデパートでこんな値段でこのコロッケを出せば、行列ができることでしょう。
 
 駅が完成して大友宗麟さんが戻ってくるのはいつかしら。
 人の流れは変わるだろうか。と、滅多に大分に行ったりしないのに考えたりした。

 
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