発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

東京都民に人類は救えるかという問題

2014年01月30日 | 日記
◆原発ゼロ都知事が当選したら、消費税を予定通り10%にします、という発表があった。
というニュースを明け方の夢の中でやってた。ああびっくりしたなあもう。正夢にならなければいいと思ってる。
どうせ原発ゼロ知事が当選しなくても絶対10%にするはずだから、こんな発言をしても、何も変わりはないはずなのだが、ことばのあやとしては有効に思える。選挙直前にこの夢が正夢になったりする前に、これを読んで免疫をつけといてほしい。

 人類が滅びてしまうと、本気で怯えている私は 
 毎晩震えながら眠りにつく
 それでも朝になれば、ごはん作って食べて
 仕事してる
 死にたくないから怯えてるのだから
 生きることができるうちはちゃんと生きなきゃね

 以前にも書いたけど、今度重大な事故があったとき、もう有権者は、電力会社に騙された、安全だと言っていたが嘘だったじゃないか、とは言えないんだよ。原発の現実を知った上での、それでも政権の言う「景気回復」とやらを選んだということ。つまり自分たちの選択になる。
 それが2011年の震災の前と後の違いであるはずだ。原発のコストも、一連の事故で、かなり上がっているはずで、今後のことを考えると無尽蔵にお金がかかるのではないか。にもかかわらず、九州電力は、震災前のレベル、原発依存率4割に戻す考えである、と29日の夕刊で読んだ。
 だいじょうぶなの?
 福島の汚染水は現在の汚染水が周辺を汚染している状態こそが「コントロールされている状態なのだ」という論法でいけば、原発大丈夫、なんだろうけど。

 原発ゼロにしても、推進にしても、覚悟がいる。それをはっきり自覚していないで、今度事故があって文句言っても、静かなることあとの祭囃子の如しである。
 原発再稼働または増設で、一体誰がどんな得をするというのだろう。
 地震も津波も事故も起きない方に賭けるのは無謀な博打のように思える。ましてや博打以前に決まっていること、つまり確実に出て来る高レベル核廃棄物、震災以前の稼働率に戻せば一年間約500トン発生するのを一体どこに長期間保管するのだ。それもまた無事なほうに賭ける、ということになれば、勝率はどのくらいなのか。地球から逃げられるくらい富裕でない限り、将来にわたる安全は担保されないのではないか。
 いまのところ地球外に永住する手段はない。
 つまり、誰も得をしないのではないかと私は思っているのである。
 誰かが得をし、その富が再分配されて、世の中全体が少しでも裕福になればまだよし。同時多発、というか、もう一箇所でも、似たような重大事故が起きてしまえば、日本経済にそれは支えられなくなるのではないかと思うのだ。
 さきの衆院選で、あえて原発については、目立った争点にはしていなかった。今の政権党は。衆院選でこそ争点にすべきだったのに「原発推進」と、ポスターに明記していたのは、幸福実現党だけだったような。
 衆院選で話題にせずに、都知事選の争点になったときに、それは違うというのは、いかがなものかなあ。
 東京都民に原発ゼロか推進かの覚悟があるかどうか問うてみるのはおおいに意義がある。なにしろ、潤沢な電力が、福島や新潟から送られてきていた。その結果として福島の人々がどんな目に遭っているのか。新潟で何があったのか。それでも原発が必要と本気で思うのなら、あるいは、原発ゼロにしなきゃと思うのなら、どちらにせよ、ちゃんと投票に行かなければね。すくなくとも、ほかの人に決めさせてはいけない。

 都知事選挙に注目である。さあ、東京都民に地球が救えるか。
 投票で人類の危機から逃れることができるのか
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福岡自動車フォーラム+福岡モーターショー2014

2014年01月25日 | 物見遊山
◆福岡自動車フォーラム2014
 自動車の話が続く。
 福岡国際会議場。席がゆったりしているし、ひじかけから小机も出せるからメモもとりやすいし。好きな場所だ。前回2012年のダイハツ白水氏のお話がものすごく面白かったものだから。
 今回面白かったのは、トヨタ、日産、マツダの開発担当者の話。思わず身を乗り出す。車の作り方は会社によって手順が異なる。CGからつくるんじゃなくて、1/1のクレイモデルを起こして、それからあちこちを調整して図面に起こすという手法を使う会社もある。ともかく車をつくることが好きで好きで好きで楽しくて。
 だから、途中で席を立つ人はいなかった。
「ハイブリッドなんて大嫌い。エンジンを発電機としてまわすとは何事か。7割残っているエンジンのポテンシャルを生かせばもっと低燃費の車はできる」「日本では売れるので不本意ながらハイブリッドを作っている」などと。
 十代のころ、大阪の日産ギャラリーで、初代パルサーのメイキングビデオを見て、とても感心したのをおぼえている。2プラグZエンジンの解説よりも、クレイモデルを作り、空力性能を計測して手直ししていくところが心に残った。改造専門のメーカーの車が、どうしても美しくならないのも道理なのである。

◆福岡モーターショー2014
 残り時間ではモーターショーを見た。
 残り2時間というのに、モーターショーは、人の波。入口までたどりつくのが大変だ。
 暮れにフィギュアスケートのグランプリファイナルが行われたマリンメッセでは国産メーカーの展示、11月に大相撲の行われる国際センターでは外車の展示、フェラーリやランボルギーニを詣でることもできたし。車より人を見るようなもので、2時間もあれば十分に思えた。
 東京モーターショーのパンフレットをそのまんま持って来るから、2013と印刷されているのがほんの少し哀愁だけど、家からバスで簡単に行けるから、まあいいや。
 ベイサイドプレイスまで散歩して、路線バスで帰宅する。
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RUSH プライドと友情

2014年01月22日 | 映画
◆「RUSH プライドと友情」試写会。西鉄ホール。
 1976年のF1、ニキ・ラウダとジェームス・ハントを中心にした物語である。デーブ・スペクターじゃないよ、ニキ・ラウダだよ。  
 この映画のPG12は、ほとんど、ジェームス・ハントさんが「モテ」てる画面のためである。
 古典的レーサーとはそういうもんだ、と、スルーすることが、まだできない年代のお子様には鑑賞をおすすめするのをちょっと躊躇する。
 車の運転は、公道を走る一般ピープルにとっても、命がかかってる手加減できないものである。
 ましてやサーキットでスピードを競うモータースポーツの世界である。まさに「車輪のついた爆弾」。シーズンごと、誰かが亡くなる危険な職業。
 映画は、知らない世界に招待してくれる。モータースポーツの最高峰、F1を、観客席からではなく、テレビ画面からでもなく、ドライバーの視点から見せてくれる映画である。スポンサー、チーム、マネージャー、チームオーナー、メカニック。マシンのチューニング。ポールポジション。チェッカーフラッグ。轟音。吐くほどの緊張と恐怖。大きなタイヤと小さなステアリング。ピット。レーシングスーツは、何秒の炎に耐えられるんでしたっけ。タイヤ交換。際どいコーナリング、テールツーノーズ、クラッシュ、デッドヒート。
 そしてシャンパンシャワー。あれは極限を勝ち抜いた者だけの勝利の美酒なのである。

◆モータースポーツとわたくし
 実家の、とうに納戸と化している私の部屋には、F1レーシングカーの写真パネルがある。印刷物ではない。80年代の生写真、つまり銀塩カラー写真である。当時勤めていた会社がスポンサーに加わっていたチームのマシンである。そのころ会社でCI(コーポレートアイデンティティ)についてのアイデア募集があり、新ネーミングについてのアイデアを出したときにもらったものだ。
 会社に在籍している間に、近くのサーキットで冠スポンサーのF3かF3000かなにかのレースがあり、男性社員が何か手伝いに行っていたようだったが、私がサーキットに行くことはついになかった。
 運転免許は私にとっては自立のためのものだった。誰の手も借りずにどんな時間でも自分ひとりでどこへでも行くための手段を得ると同時に、名義変更や、それにともなう保険の移動、車庫証明など、小さな財産のことだったが、いろいろなことを自分で手続きする訓練になってくれた。スペアタイヤの交換なども含め、ほとんどが社会科、技術家庭科のスキルアップに役立ってくれた。
 鈴木亜久里や片山右京の名前くらいは知っていた。中嶋悟は週刊誌で安全運転を啓発していた。セナやプロスト、マンセルやシューマッハ、アレジなども日々新聞を賑わせていたし、自動車レースを細かに取材した雑誌も多かった。
 バブル崩壊によってあちこちのチームが資金難になったらしい、お金がかかるものなのだな、それにしてもあまりちきゅうにはやさしくなさそうだ、というところまでで、あとは、そのあたりのことは実家の納戸に置きざりにしてすっかり忘れていた世界なんだな。


 
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軍師官兵衛は、キリシタン

2014年01月12日 | 日記
 なかなか冬らしくなってきた。
◆柳川
 所用。天神から西鉄特急で50分弱。830円。柳川あたりの地形は、有明海沿岸、佐賀あたりまで、かなりフラットで、東西南北見渡してもどこまでも平地が続く。山は遠く遠くに見える。駅の売店では新海苔を売っていた。 そういえば、去年中島漁港(柳川市。西鉄中島という駅があり、小さな朝市をやっていた)に行き矢部川ぞいを歩いたとき、海苔工場がたくさんあったっけ。
 海苔を買って帰る。全形50枚で1050円と1500円のを売っていた。自宅用に安い方を買ったが、なかなかしっかりした立派な海苔である。軽くあぶって夕飯に出した。香りも良い。巻き寿司、手巻き寿司を作りたくなる。

◆軍師官兵衛はキリシタン
 さて、大河ドラマ軍師官兵衛、今日が2回目ですか。
 この方、キリシタンだったのですが、福岡にキリシタン関連の目立った遺構がないわけだし、禁教されてたから、あまり知られてないのも仕方ないのですが、官兵衛の葬儀はキリスト教式で行われたのです。
 博多のお菓子屋さん「如水庵」でも、シメオンジョスイなる、キリシタンなお菓子を売り出しました。シメオンは、官兵衛の洗礼名なのです。黒田如水=黒田孝高=黒田官兵衛=ドン・シメオン。



キリシタン官兵衛について詳しく知りたい方は、『九州文化図録撰書5/唐津街道 豊前筑前福岡路』が、最もわかりやすいと思います。福岡県内の唐津街道を歩くのに役立ちます。また、唐津街道のなりたちや、日本二十六聖人の足跡についても詳しく知ることができます。書店、ネット書店、福岡市博物館や、九州国立博物館などのミュージアムショップにもありますので、ぜひご覧下さいませ。
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「ジャッジ!」しかし広告は常に消費者に審査されているのである

2014年01月07日 | 映画
 あけましておめでとうございます。
 ことしもよろしくお願いします。
◆映画「ジャッジ!」試写会 都久志会館

 大手広告代理店のダメ社員が、広告賞の審査員としてのインポッシブルなミッションを背負い、海外リゾート地に行くことになる。
 大広告主の息子の作ったできの悪いCMにグランプリを取らせなければ、会社は何百億もの仕事を失う。でも無理っぽい。それで、審査員となっていた男(豊川悦司)は、ダメ社員である部下(妻夫木聡)に審査員の仕事を押しつけ、コンペが行われる海外リゾートに送り出す。クビになるのはダメ社員、というわけ。
 会場のあるサンタモニカでは、世界の広告界の魑魅魍魎が跋扈?し、駆け引きを繰り広げている。
 さあどうする?

 民間放送においては、視聴者は、テレビCMを見ることで無料放送を提供されている。その代金はそのまま、商品に上乗せされている。結局消費者たる視聴者が負担しているといえばそういうことになる。
 当然、お金や労力のかけかたは、番組正味よりもCMの方が多くなる。
 興味深いと思うのは、15秒CMの方が30秒CMよりも面白いことが多いことである。
 広告類は、その企業の姿勢を如実にあらわし、伝えるものである。
 映画に出てくる、広告主企業社長の息子の作った面白くないCMの話については、それに近い話は結構あるんだろうなあ。広告を出すというか、媒体を買うというのはとても高い。それにもかかわらずつまらない広告、というのは、それに遠くない環境で作られているのだと思う。
 たとえばの話、ある地場企業の社長さんが趣味に興じているところを、全面広告で紹介しているのを見たことがある。ボランティアでもメセナでもなく、ただ、それなりにお金のかかる個人的な趣味である。なんだかなあと思った。うまく行っている会社の社長さんはいろいろなことに使える多額の報酬があって当然だと思うが、社長さんの個人的趣味に興味を持つ人など、この会社、というより社長さんに何かを売り込もうと思っている人以外にいるだろうか? この広告は企業イメージアップになるだろうか? 反感など感じたりはしないが、少なくとも私には、消費者や販売現場には無関係に思えた。この広告にかかったお金が商品に転嫁されているのなら、というところまで考えたら、あまり商品は買いたくないなあと思った。少なくとも、これを見て、その企業に親しみを持ち、商品やサービスにより多くのお金を払おうという人はあまり増えない。費用対効果を考えると効率的でないと思った。
 ところが、その次の年、また同じ企業の社長さんの似たような広告が出た。あれっきりだと思っていたんだけど。
 誰も批判しなかったのだ。従業員はもちろん、役員も、家族も、友人も。
 太鼓持ちは褒めてくれるだろう。同業者もまた、広告費の無駄遣いを褒めこそすれ批判する理由がない。
 株主的にはどうなんだろうな。
 
 劇中に出て来るトヨタ(とエースコックは実名で出るよ)のCMは、劇中CMとしてはお金がかなりかかっているような? ひょっとしてボツになったのをそのまま使ってるのではと思った。
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