発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

もののけ島のナキ 試写会

2011年11月26日 | 映画
もののけ島のナキ試写会 明治安田生命ホール

 ご存じ、「ないた赤おに」を、一時間半のCGアニメに仕立てたもの。
 声の出演は、赤鬼ナキが香取慎吾。こち亀「両さん」のダミ声で登場。青鬼グンジョーは山寺宏一。音楽は、「ハゲタカ」「怪人20面相・伝」「スペースバトルシップヤマト」テレビなら「龍馬伝」「カーネーション」の、佐藤直紀。
 有名なお話がもとになっている映画だからネタバレも何もないのですが。
 異質の社会や民族との共存、愛と友情と自己犠牲がテーマ。だけど道徳や教訓みたいなことは横に置いておいてオッケー。ちゃんと楽しい1時間半、お子様の冬休み映画として、ご両親に、自信を持ってお勧めできる、素直に笑わせてくれる映画です。この秋冬の映画でお客さんが笑ってる量としては、この映画は「ステキな金縛り」と双璧といえます。
 
 21世紀の「ないた赤おに」は、あそこまでやらないといけないのね、とだけは書いておきます。
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契丹展 九州国立博物館

2011年11月23日 | 物見遊山
契丹展 九州国立博物館
 西鉄電車で出かける。お休みの日の博物館は賑やかである。例によって修学旅行多し。

 契丹国のプリンセスたちの副葬品を主とした展示である。
 日本でいう平安の終わりころ、大体遣唐使をやめたころから鎌倉初期にかけての展示品が多かった。
 金細工。純金もあるが、銀や銅に鍍金したものも多かった。
 琥珀やラピスラズリ、それから、ターコイズ。ターコイズは、貴重だったんだろうな。少しだけ印象的に使ってあった。
 琥珀はたくさん出たようで、どかっどかっ(まさにそんな感じ)と景気良く使った首飾りがあった。琥珀がいくら軽くても、さすがにこれは重いのではないかと。
 
 遊牧民族。草原の民である。当然のように馬に乗っていた民族だろうから、副葬品も馬具関連が多い。
 陶器のシンプルなシェイプがなかなか良い。皮袋をもとにデザインされた壷など、実に好み。千年前のものなんて信じられない。きっと、レイモンド・ロウイーも絶賛するに違いない。黄釉や緑釉が使われているものの、多色使いされているものは多くなく、ともかくシンプルで美しいものが多い。

 常設展に行くと、シアター4000では、伊能図を紹介する映像を上映。これは行かねばと入場。わかりやすい説明。

 九州大学の所蔵品展もやっていた。シーボルト関連は、何年か前、アクロス福岡での公開で見たが、今回は、昆虫の美しい標本や、大きなアンモナイトや、立派な鉱物標本や模型もたくさん来ていた。
 昔の南方の調査報告書の地図を見ると、ジャワ島のすぐ東の島、バリ島にロンボク(バリのさらに東の小島の名前)と書いてある。先生、これチガッチョリマスですが、日本からの観光など皆無な、昔むかしのものであれば微笑ましくもある。

 例によって帰りに、参道で梅が枝餅を食べる。参道は賑やかだけど、梅が枝餅を扱う店が減っていた。
 
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北京・故宮博物院展

2011年11月18日 | 物見遊山
北京・故宮博物院展

 故宮博物院ですよ、紫禁城ですよ。北京の町のど真ん中にある博物館のお宝を鑑賞に、雨の中、福岡市美術館に向かう。

 平日、閉館まで1時間余、夕刻が近いというのに、入口駐車場に車の列が。有料駐車場に車をまわす。
 人が多い。

 豪華な刺繍の衣裳や、きらびやかな宝飾品や、緻密な彫刻や彫金や七宝などの技法を駆使した装飾品、細かく絵付けされた食器セットなど、豪華絢爛。
 こんな大きな髪飾りや冠なんて、身につけると、すぐに肩凝りを起こしそうね、と思うけど、紫禁城で暮らす人はそんなこと言ったりしなかったんでしょう。
 北京故宮博物院にあるのは、蒋介石がお宝の多くを台湾に持って行った残りだということだけど、十分豪華です。

 紫禁城といえば、ジョン・ローン主演の「ラストエンペラー」、清朝最後の皇帝の一生を描いた映画で、これを見れば、清朝末期、中でどんな生活が送られていたかをかいま見ることができる。
 辛亥革命後も、しばらくの間、最後の幼い皇帝と周辺の人々は、紫禁城で暮らしていて、結婚もしたけど、ある日(映画ではテニスをしているとき)追い出されてしまい、その後、満洲国の傀儡皇帝にされてしまう。戦後、戦犯となり、服役、出所後、文化大革命のさなか、庭師として一生を終えるというお話。この映画の皇后役のジョアン・チェンが、この秋公開の「1911」に出ている。

 展示物で最も印象的だったのは、水晶とメノウのマッサージローラー。顔などをマッサージする小型のローラーは、最近の発明品だと思っていたが、紫禁城の女性達は、百年以上前から、すでに使っていたのだ! 水晶のは、玉が5つついてて、腕や脚、ボデイにも使うのかも知れないが、メノウのは玉が1個の小型で、絶対に顔用である。
 ショップでは、展覧会グッズのほかに、筆や、内側から絵が描かれている嗅ぎタバコの瓶や、パンダの小物入れや、七宝のブレスレットとかを売っていた。デザインは展示品とは違ってたけど、メノウのマッサージローラーもありました。
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タンタンの冒険 試写会

2011年11月17日 | 映画
タンタンの冒険 試写会

 11月に入って、いろんなイベントへの人の入り方を見ていると、クライマックスシリーズ、あるいは日本シリーズが開催されている時間かどうか、というのがかなり影響しているような感じのする福岡でございます。

 この映画も3Dで作られているようだけど、都久志会館なので、2D上映。
  まず、影絵アニメのオープニングタイトルが楽しい。
 で、本編が始まる。タンタンのホームグラウンドが、ブリュッセルなので、走る車は、ほぼシトロエン。CGアニメだけど、特殊メイクの実写版みたい。もともとの絵のアニメ化でも良かったんじゃないかと思うけど。
 ↓物語の本筋には触れませんので行きたい人も安心して読んでね。

 40字以内で説明すると
「インディージョーンズシリーズが、きれいなお姉さん抜きでCGアニメ化されました。」
 という感じで、カーチェイスとか、飛行機とかが、既視感あふれるスピルバーグの世界。でも、アニメだから、アクションに制限が少なく、「ありえねー」な世界を際限なく表現してくれます。
 主人公は少年なので、お姉さんがらみのお話は出て来ません。ベージュ、オークルとブルー、時々赤、を基調とした色彩設計は、私の好みです。タンタン君のセーターがいい色。
 犬のスノーウィーも可愛い。この映画がヒットすれば、ワイヤテリアを飼うのが流行するかも。でも、すごく可愛いけど躾けが難しいと聞くよ、ワイヤテリア。よく吠えるんだって。

 すでにシリーズ化が決定しているそうです。アニメはハリソン・フォードと違って年を取らないし。
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怪物くん 実写版 試写会

2011年11月13日 | 映画
◆怪物くん試写会

 怪物くん?白黒アニメでしょ。声は白石冬美(星飛雄馬の明子ねえちゃんの人)。主題歌は、筒美京平の作曲で、当時グループサウンズに楽曲を提供してた。今も歌える私は古い。
 ただ、昔過ぎてどういうお話か忘れた。怪物ランドの王子が、オオカミ男とフランケンシュタインと、ドラキュラをお供に人間界で暮らす話で、王子=怪物くんは、手足が伸びて、顔を変えられる。まるでワンピース界の悪魔の実を二種類(ゴムゴムとマネマネ)食べたような能力の持ち主だってことくらい。
 異界のプリンス、プリンセスが人間界で修行する話は、魔法使いサリーも、そうだよね。でもサリーは良い子。怪物くんは、良い子ではない。

 というわけで、怪物くん試写会。都久志会館。
 いつになく満席になるのが早かった。
 テレビシリーズは見てないけど、大野智の怪物くんは、似合う、と思ってた。確かに似合ってた。

 王位継承を民衆にダメ出しされた怪物くんが、人間界に戻るのだが、なぜかそこは(テレビシリーズの日本ではなく)インド。デカン高原上の謎の国、しかも時代不詳。
 手づかみでたべるとき左手をつかっちゃダメなんだよ、と誰も言わないところが、やっぱり謎の国である。
 物語の核心部分には触れませんが↓
 まあ、インドに行った時点で、どんなお話かは大体想像がつく。安心して見られる映画でございました。

 姉弟(川島海荷と濱田龍臣)が、とても可愛い。上川隆也が多少ヘンな役だが「パコと魔法の絵本」で、緑タイツで踊っていた姿を観た身としては、まったく違和感はない。北村一輝がかっこいい。というか、浅黒メイクにターバンがとてもよく似合うのだわ。

◆2D映画を3D鑑賞する方法?

 この映画は、3D公開もされるらしいが、この試写会は2Dだった。途中で片目に何かゴミが入って、もう片目で鑑賞?したときに、ふと気がついた。(これって、立体的っぽくない?) 片目で鑑賞すると、3Dとまではいかないが、両目で鑑賞する2Dに比べて、2.3Dくらいには立体的に見えるのである。片目だと、頭を動かさない限りは、立体を認識しにくい、つまり平面も認識しにくいわけで。(本当?)と思って、あとで新聞や雑誌の写真を片目で見てみた。うん、両目で見るよりも立体的だ。奥行きが見える。
 眉に唾をつけても構わないから、お試しを。
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THE WINDS OF GODを見に行こう

2011年11月05日 | 物見遊山
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◆THE WINDS OF GOD

 西鉄ホール。本日はお芝居でございます。

 THE WINDS OF GOD  つまりカミカゼ。
 神風と描かれたハチマキも当然出て来る。
 昔のハチマキは横書きは右から書くので、つい、ふうじん、と読みそうになる。淋派の風神雷神図より先に、プロレス中継途中で出て来る三菱の掃除機を思い出す私は古い。

 現代のお笑い芸人が、昭和20年8月にタイムスリップして、前世の特攻隊員になる、というお話。
 もちろん、作者でもある今井雅之の主演。
 20年以上前から ロングラン上演されている。いちど見たかったんだ。席は、前から3列目。大迫力。

↓物語の核心に触れないから安心して読んでね。

 特攻をテーマにした反戦劇だが、劇中漫才や、タイムスリップしたときの、1945年の人々との話の噛み合ない様子などで場内の大爆笑をとっていた。
 もう、メモを取るのを忘れて観劇に熱中。力ワザでぐいぐい引き込んでくる。雲の上を飛ぶ零式戦闘機にも乗った気分になれる。漫才の相方役の陣内智則もうまい。
 だから、二時間半の上演時間はあっと言う間に済む。反戦をテーマにした劇、だけど、それを横においとくとしても、すごく、いい劇だった。

 なんといっても説教臭くないのよ。
 ACの「♪支え合うから人なんだ♪」というコマーシャルを見て「そりゃーそーでしょうが、本来の象形文字の『人』の文字の成り立ちと違うことをテレビで連発しない方がよろしんじゃないかと」と思ってしまう、ひねくれ者の私でも大丈夫でした。

 福岡は6日まで。向こう一ヵ月、全国ツアー。時間のある方はぜひ。映画3回くらいの入場料だけど、映画3回より、絶対いいから。




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