発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

おかしなことになっている

2022年10月16日 | 日記
 前日のつづき。
 今回の騒ぎは、病気にかからず、商売を傾けず、メンタルをやられない、という決意と共に過ごすことにしていた。ともかく健康に気をつけ、車の運転には細心の注意を払っていた。
 ところが、先月のある日私は転んでしまった。

◆骨を折って入院した
 転んだ時に一切擦りむかず、服も一切破れず、つまり他にどこにも力を分散するところがなく、左手首の骨だけに力がかかってしまったので、2箇所折れていたのだ。

◆病院に行く
 入院にさきがけ、PCR 検査。
「新型コロナ陽性だったらどうなるんですか」
「家に帰ってもらいます」
「そんなあ」
 命に関わる怪我じゃないけど、利き手じゃないからなんとか生活できるけど、手術待ってる間に変なくっつき方したらどうなるのよ。
 そこは陰性で入院本決定。
 そういえば新型コロナワクチンを何回打ったか聞かれた。答えると、医療スタッフ一同が「ニコッ」。
 検索すれば、あちこちの医療機関のホームページに出てくることだが、新型コロナワクチンを打って2週間は、すぐ命に関わらない手術は延期されるそうだ。「ニコッ」は、手術決定ということだったのだ、たぶん。

◆入院手術退院
 手術は全身麻酔+腕のブロック麻酔。私の手の中にはチタンのプレートとたくさんのネジが入っている。レントゲン写真を見るとまるでサイボーグみたい。神経も大きな血管も全く傷つかず(その辺医学の進歩)、指の感覚は麻酔が切れるとともに元に戻り、そのうちスマホ左手に持って左親指でスクロールも可能になった。
 入院は2泊3日、入院してから54時間で退院した。
 病院は、見舞客もなく静かなものだ。フロアごとにある広くて明るい共有スペースで、持参のドリップコーヒーを飲みながら、仕事したり、本や雑誌や新聞を読んだり、他の入院患者と話したりしていた。病院のごはんはとてもおいしかった。
 
 退院の時点でギプスも包帯もなく、鎮痛剤も貼り薬ももらわず、手術あとのテープの他は、手の甲に家にある普通のサロンパスを貼っているだけ。重い物を持つのはまだ無理だが、大体普段通りの生活。
 今度病院に行ったら多分抜糸だが、動脈に平行に5 センチ ぐらいの傷になってるので、これから長袖の季節で本当に良かったと思っている。

◆おかしなことになっている
 生命保険会社から送られてきた書類によれば、新型コロナ陽性で自宅療養するだけで入院保険が出ていたというのだ。今は違うが。
 一方で、ほかの病気ケガで、すぐに適切な治療がされないことがまかり通っている。


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11人いる!

2022年10月14日 | 日記
 写真は北九州市のスペースラボ。

「11人いる!」
   萩尾望都の初期のSF作品。
 最難関である宇宙大学の最終試験は、10人グループでひとつの宇宙船内で53日間過ごし、生き延びること。期限までに外部と連絡を取ったら、全員失格で試験終了となる。
 ところが主人公の乘った宇宙船には11人いた。異端のニセ受験生は誰か。皆が疑心暗鬼になるが、試験は続いていて、誰もが合格したい事情を持っているから外に助けを求められない。さあどうなる?
 友情努力勝利の物語であるし、多文化理解の話でもあり、ジェンダー問題もテーマである。
 舞台化されているし、アニメ映画にもなった。名作である。

 この物語の大事なエピソードとして感染症の発生がある。
 主人公が幼いときに乗っていた宇宙船で感染症が発生した。致死率93%。だが乗員の数に比べてマウスが足りず、それを使ってのワクチンが間に合わない。子どもを優先してワクチンが与えられたため、主人公はそこで親に死なれたが、その記憶を封じられて、ある星で育った。
 その古い宇宙船こそが、試験として11人が乗り込んだ船だった。そこで再び感染症が発生してしまうのだが。

(ワクチンをつくるための)
「マウスがいない! 11人いるのに!」

 ワクチンが広まれば元通りの生活ができる。
 ワクチンが普及すればこの騒ぎは終わる。

 2020年暮れからよく聞いたこの言葉で「11人いる!」を思い出したのは私だけだろうか。

 どれくらいの感染リスクが、特例承認リスクと釣り合うのか。コロナというと風邪の一種で、ウイルスは変異するから、その一つだけ封じ込める「ゼロコロナ」は絶対無理。それくらいは素人さんの私にだってわかる。
 致死率93%というのは人に考える余裕を与えないが、どうも厚生労働省と県の出す数値を見ていると、新型コロナは、それには遠く思える。滅多に風邪をひかない一晩寝れば大概の病気は治る21世紀になってから高熱を出した記憶がないそういえば会社の健康診断の血圧測定で3年連続まったく同じ数値を出していた、ホメオスタシスが服を着て歩いているような私に、発熱頭痛倦怠感確率が数十パーセントに上る特例承認ワクチンはリスクでしかないのではないだろうか。ま、洞ヶ峠の筒井順慶というのも立派な戦略だわ。数値データを見て考えろという本『ファクトフルネス』を大学卒業生に配ったのはビル・ゲイツだし。
 だがしかし、運命は私にノー天気な日常の継続を許したりはしなかったのである。(つづく)

 

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2022年秋の覚え書き1

2022年10月13日 | 昭和のおもひで
◆アントニオ猪木氏死去
 「元気ですか!元気があれば何でもできる」
 まったくもって正しい。元気を維持するのが大事だ。

◆池永正明氏死去
 西鉄黒い霧事件で若くして球界を引退した名投手である。昭和が遠くなる。割と近所にお家があって、近年になって終活で引っ越された。
 池永氏にいただいたウインドブレーカーが家にある。プロギアというゴルフブランドで、毎年新作を友人のジャンボ尾崎氏から送ってくるのだそうだ。問題はそのプルオーバーのウインドブレーカーの似合う人間が家には一人もいないことである。


コメント (1)
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