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2010/12/9 109シネマズ木場。
前々から気になっていた映画。
観客の大半はかなりの高齢だった。
別の言い方をすると若い人はほとんどいなかった。
平均年齢は「剣岳 点の記」よりも高かったように思う。なぜ?
**
堺雅人、仲間由紀恵、中村雅俊、松坂慶子、草笛光子、西村雅彦
*
藩の財政を預かる、今でいえば経理部門、御算用者の3代にわたる物語。
語り部は、猪山成之(伊藤祐輝)、明治政府の海軍主計係。
主人公はその父、猪山直之(堺雅人)。
成之の祖父にあたる信之(中村雅俊)ともども加賀藩御算用者である。
話は、成之の回想として、幕末近くの加賀藩を舞台に繰り広げられる。
信之は姫君御輿入れの際、経費節約の功労を成し評価されていることが自慢。
しかし婿養子のため、妻、常(松坂慶子)や姑(草笛光子)には頭が上がらない。
御算用者は、城に上がって3年間は見習いで無給で働き、その後正式採用となる。
直之もようやく見習い期間が終わり、お給金がいただけるようになり、
両親は直之に縁談を持ちかける。
相手は直之が通う道場の師範、西永与三八(西村雅彦)の娘、駒(仲間由紀恵)
縁談はスムーズに進み、ほどなく結婚。
さて、直之は信之にもまして堅物で計算の間違いが許せない。
直之は、飢饉を救うための供出米が、隠蔽され横流しされていることを探り当て、
横流し派に飛ばされそうになるが、事件が発覚して、直之は殿の御次執筆役に出世する。
やがて、直之と駒の長男、直吉(大八木凱斗)、語り部本人である後の成之の4歳のお祝いの際、
現金が足りず、精査した所、信之と直之の年収の2倍の借金があることが判明。
ここから直之の借金返済けちけち大作戦が始まる。
*
古書店で偶然見つかった武家、猪山家の家計簿をもとに書かれた、
磯田道史の『武士の家計簿「加賀藩御算用者」の幕末維新』を原作とする。
もともとは家計簿(入り払い帳)をもとに書かれたものだが、
一説によれば手紙や日記もあったらしいから、
いろいろな出来事もかなり実際に近いものだったろう。
幕末から明治の激動の時代に、まあ、武士の世界に直接部門、間接部門と言う仕分けも変だが、
基本的には経理といういわゆる間接部門で働いた男の物語なので、物語は淡々と進む。
就職、結婚、出産、教育、そして親族の死、これらがある意味普通に繰り返されていく。
そこにはTVや映画の時代劇に見るようなドラマチックな事件の展開はない。
しかし、それが我々のあまり知ることのできなかった
武家の日常をあらわにしているという点で興味深い。
実際にあのような会話が交わされたどうかは別として、
程よくユーモアが効いていて台詞も楽しい
前々から気になっていた映画。
観客の大半はかなりの高齢だった。
別の言い方をすると若い人はほとんどいなかった。
平均年齢は「剣岳 点の記」よりも高かったように思う。なぜ?
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堺雅人、仲間由紀恵、中村雅俊、松坂慶子、草笛光子、西村雅彦
*
藩の財政を預かる、今でいえば経理部門、御算用者の3代にわたる物語。
語り部は、猪山成之(伊藤祐輝)、明治政府の海軍主計係。
主人公はその父、猪山直之(堺雅人)。
成之の祖父にあたる信之(中村雅俊)ともども加賀藩御算用者である。
話は、成之の回想として、幕末近くの加賀藩を舞台に繰り広げられる。
信之は姫君御輿入れの際、経費節約の功労を成し評価されていることが自慢。
しかし婿養子のため、妻、常(松坂慶子)や姑(草笛光子)には頭が上がらない。
御算用者は、城に上がって3年間は見習いで無給で働き、その後正式採用となる。
直之もようやく見習い期間が終わり、お給金がいただけるようになり、
両親は直之に縁談を持ちかける。
相手は直之が通う道場の師範、西永与三八(西村雅彦)の娘、駒(仲間由紀恵)
縁談はスムーズに進み、ほどなく結婚。
さて、直之は信之にもまして堅物で計算の間違いが許せない。
直之は、飢饉を救うための供出米が、隠蔽され横流しされていることを探り当て、
横流し派に飛ばされそうになるが、事件が発覚して、直之は殿の御次執筆役に出世する。
やがて、直之と駒の長男、直吉(大八木凱斗)、語り部本人である後の成之の4歳のお祝いの際、
現金が足りず、精査した所、信之と直之の年収の2倍の借金があることが判明。
ここから直之の借金返済けちけち大作戦が始まる。
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古書店で偶然見つかった武家、猪山家の家計簿をもとに書かれた、
磯田道史の『武士の家計簿「加賀藩御算用者」の幕末維新』を原作とする。
もともとは家計簿(入り払い帳)をもとに書かれたものだが、
一説によれば手紙や日記もあったらしいから、
いろいろな出来事もかなり実際に近いものだったろう。
幕末から明治の激動の時代に、まあ、武士の世界に直接部門、間接部門と言う仕分けも変だが、
基本的には経理といういわゆる間接部門で働いた男の物語なので、物語は淡々と進む。
就職、結婚、出産、教育、そして親族の死、これらがある意味普通に繰り返されていく。
そこにはTVや映画の時代劇に見るようなドラマチックな事件の展開はない。
しかし、それが我々のあまり知ることのできなかった
武家の日常をあらわにしているという点で興味深い。
実際にあのような会話が交わされたどうかは別として、
程よくユーモアが効いていて台詞も楽しい
今では殆ど観られなくなった2つ玉のそろばんとかも、昔懐かしく観てました。
いつの世も間接部門は軽く見られる宿命ですが、そこにスポットが当たった物語は、現在間接部門にいる私からするとちょっと嬉しかったりします。
あれ単式ですよね。
上が2つで下が5つ。
五つ玉(上が1玉)は見たことがありますが、
2-5は見たことがなかったのでちょっとびっくりです。
何でも16進法(目方=重さが16進)が使えるように15まで置けたらしいですね。
大村益次郎がたしか「これからはタークテクス」と言っていませんでしたっけ。
タクティクスのことでしょうが、それを言うならロジスティックス(=兵站)だろうが、と突っ込んでしまいました。
そっか、年配の方ばかりでしたかw
まぁテーマ的には若い人向けではないですよね。
実はあたしもマイル目当てだったりしてw
ちょっと長めの上映時間だったのでね。
でも、なかなか面白くって、こうゆう時代劇の家族ドラマって
あまり観たことないので、なかなか新鮮でしたね。
脚本がよく練られていたってことでしょうか。
そういえば小道具もよく作りこまれていたし、台詞も面白く、キャストがみんなうまかったんでしょうね。
観客の年代が高い理由は思いつきませんでした。
おっしゃるように、「物語は淡々と進」みますが、「我々のあまり知ることのできなかった武家の日常をあらわにしているという点で興味深い」ものがありました。
確かに、この映画にあっては、武家のお金の出入りにつき明確な裏付けがあります。
とはいえ、「実際にあのような会話が交わされたどうか」知れたものではありませんし(金沢弁がかなり取り入れられているとはいえ)、日常の仕草等も含めて、全体としてはあくまでもいわゆる“時代劇”なのではと思いました。
なお、上記コメントの「いつもすばやいKLYさんへ」で、「あれ単式ですよね」とあるところ、ご存じのことと思いますが、当時はすべて「大福帳」であり、複式簿記は明治の初めに福沢諭吉が日本に紹介したそうです。
聞くところによれば原作はかなり突っ込んだ分析をしており、数字の裏に隠された日常を読み解いているそうですが、むしろ映画の方がさらりと流している気がしました。
「大福帳」の件、了解です。
元より当時が複式簿記だとは思っておりませんで「帳尻合わせ」に違和感を感じただけです。