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映画「TENET テネット」@109シネマズ木場(2020/9/24)

2020-09-26 22:48:36 | 映画感想
2020/9/24、109シネマズ木場。
IMAX版もあって迷うが、+400円は大きいので、通常版を選択。

クリストファー・ノーラン監督作品。

当初公開予定の前からIMDBなどで予告を見て絶対見たいと思っていた映画。
どのタイミングで見るか、他の映画とどの順で見るか迷った。
難解だとか、1回では理解できないとか宣伝されているがどうなのか気になっていた。



ジョン・デビット・ワシントン、ロバート・パティンソン、エリザベス・デビッキ、
ケネス・プラナー、マイケル・ケイン。



まずは、ウクライナの首都キエフ。
国立オペラ劇場で、コンサートの準備を行っていたオーケストラの指揮者がタクトを振ろうとした瞬間銃殺される。
テロ集団が乱入して会場を制圧。
ほぼ同時にSWATが会場に駆け付ける。
天井から睡眠ガスを噴出させ観客を失神させるとともに会場に乱入する。
テロリストと銃撃戦になり、混乱の中、SWATの一部は2階席の特別室に乱入し居合わせた観客を銃殺し、何かを探す。
「主人公の男」(いか、「」つきの「男」)はテロは偽装だと別の特別室にいた仲間のスパイに告げると、
「プルトニウム241」とされる六角柱の器具を受け取り、会場でSWATが仕掛けた爆弾の回収に向かう。

途中でSWATに気づかれ、射殺されそうになるが、座席下のコンクリートから弾が戻りSWATを倒して助かる。
「男」は爆弾を2階席に投げ入れてスパイとともに脱出、2階席が爆発する隙に会場を後にする。

しかし、逃げおおせたと思ったのもつかの間、「男」(ジョン・デビット・ワシントン)は捕まり、拷問され、
線路で椅子に縛り付けられたまま、作戦の中身を喋るよう強要される。
主人公の男はすきを見て仲間が持っていた自殺カプセルを飲み、息絶える。



「男」は死んでおらず、気が付いたのはとある船の中。
治療したと語るフェイ(マーチン・ドノバン)は、君は合格した、と言い、TENETをキーワードとして与える。

「男」は、研究所に行き研究員のバーバラ(クレメンス・ポエジー)から指令は第3次大戦を防ぐことと言われる。
「男」が核戦争かと聞くとバーバラはもっとひどいとだけ答える。

バーバラは、エントロピーの低下により時間が逆行すると言い、置いた弾丸が手に戻ることや、
弾痕から弾丸が弾倉に戻ることなどを示す。
時間を逆行している弾丸は未来から送られてきたものだという。
「男」は、弾の製造元にたどり着くため、薬莢の成分を調べるよう言いのこして研究所を後にする。

薬莢はインドで作られたものだった。
インドの武器商人サンジェイに事情を聞くためニール(ロバート・パティンソン)と合流、サンジェイのマンションを目指す。



この後、プリア(ディンプル・カバディア)からイギリスのクロスビー卿(マイケル・ケイン)そして、プルトニウム241
強奪の黒幕と目されるセイタ―(ケネス・プラナー)に近づくための妻キャット(エリザベス・デビッキ)と辿っていく。

果たして指令の本質は何なのか。セイタ―の目的は。
そしてそれは阻止できるのか。



驚くべき撮影。
単に時間の逆行であればフィルム逆回しでいいわけだが、順行と逆行が同時に進行するシーンが数多く登場する。
時間を順行する人間と逆行する人間との格闘とか、予告でも出てきた順行する車と逆行する車のカーチェイスとか。

最後の戦闘シーンでは、順行チームと逆行チームが敵味方とも入り乱れ、どちらの視点で見ているのか混乱する。
逆行チームも逆行チームの視点で見れば順行であり、順行チームが逆行しているように見えるからややこしい。

ド派手なシーンだけでなく、火事の現場で消火活動の中を逆行する救急車のストレッチャーとか、伏線があちこちに。
未来の自分や過去の自分と遭遇、あるいは戦う映画は数多くあるが、順行と逆行が同時に起こるものは始めて。



また、原因なのか結果なのか、原因を変えれば結果が変わるのか。
何が原因で何が結果なのか。結果が先で原因が後はあり得るのか。

こういうタイムワープ、タイムスリップ的な物語で必ず問題になる「親殺しのパラドックス」はどうなるのか、や
「未来(あるいは過去)の自分に遭遇すると時空のねじれが起こり世界が崩壊する」のかとか、
「過去を変えると元の未来が変わる」「過去を変えると元の未来と違う未来ができる(パラレルワールド)」のかね
などなど多くの矛盾、疑問があるが対しての答えはない。

我々の世界は時間が順行し、覆水は盆に返らない。セリフにもある「what happened happened」だ。
我々の時間が順行する世界から見れば時間を逆行する人にとって、我々の世界はどう見えるのか、
多分この映画のように自分は順行し、自分以外の世界が逆行しているように見えるだけだろう。



通常の世の中では暖かいところでは氷は解けるし、水は低い方に流れる。
この場合、系のエントロピーは増大するしそれが普通。
しかし、エントロピーが減少する空間を作れればそこでは冷蔵庫が無くても水を氷にできるし、
覆水を盆に戻すこともできる。

ある物体に「エントロピーを減少させる性質」を持たせられるのかは理解の範疇を超えるが、
そもそもタイムトラベル、タイムスリップ、タイムワープなど時間の順行に逆らう事象を扱うことを
否定しては映画が成り立たない。

映画内では陽電子は時間を逆行しているとの会話があったと思うが、時間を順行する電子が何らかの原因で
途中で時間を逆行していった場合、我々から見れば、電子(時間を順行)と陽電子(時間を逆行)が
衝突してエネルギーを放出して消えたように見える。これを電子の対消滅といい、他の素粒子でも起こる。



ケネス・プラナーはこの後「ナイル殺人事件」ではポアロを演じるが、そこでも訛りの強い英語をしゃべる。

主人公のジョン・デビット・ワシントンはデンゼル・ワシントンの息子。
未見だがスパイク・リー監督の「ブラック・クランズマン」の主役を演じている。

エリザベス・デビッキは190cmの長身で痩身。
これだけ大きいと役が限定される気がしないでもない。
「グレート・ギャツビー」で誰がギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)かを知る数少ない謎の女だった。
「コードネームUNCLE」では核兵器製造をもくろむ大富豪。
「ガーディアン・オブ・ギャラクシー2」では文字通り全身金ピカのソブリンの女王。「同3」にも出る。

ロバート・パティンソンは「トワイライト」シリーズが有名だと思うが、好みの映画ではないので未見。
個人的には「ハリーポッターと炎のゴブレット」で殺されるセドリックが印象に残る。
来年秋に全米公開になる「バットマン」でブルース・ウェイン、つまりバットマンを演じる。

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