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映画「決算!忠臣蔵」@109シネマズ木場(2019/11/25)

2019-12-11 00:23:49 | 映画感想
決算!忠臣蔵

2019/11/25 109シネマズ木場、1番スクリーン、F列を選択。


  
堤真一、岡村隆史、濱田岳、竹内結子、石原さとみ、笹野高史、桂文珍、横山裕、鈴木福。



冒頭は江戸時代、元禄年間の夜泣きそばの屋台。
当時二八そば(二八、十六文)と呼ばれたかけそばの価格を480円とした換算で金額が表示される。

夜の街を火事場装束で駆ける武士(堤真一)。
駆け付けた先には床几(しょうぎ)に座る殿(阿部サダヲ)が「訓練じゃ、大石遅いぞ」と声をかける。
殿とは、赤穂藩主、浅野内匠頭、大石とは筆頭家老、大石内蔵助だった。

その後、元禄14年(1701年)3月14日、松の廊下の事件があり浅野内匠頭は即日切腹となった。
浅野家はお家取り潰し、一方の吉良家は当面お咎めなしとなり、浅野家の家臣は激高する。

会合では吉良討つべしが、番方(武官)の大半の意見となるが、役方(文官)、勘定方(経理部)を預かる
矢頭長助(岡村隆史)は、既に大半の武器は売り払っており、討ち入った場合の割賦金(退職金)は27万円、
一方討ち入らなかった場合は、300万円プラス給与1年分と告げる。

親戚筋の広島藩、大垣藩の意見もあり、すったもんだの末、討ち入りはせずお家再興を目指すことになった。

一方、江戸詰めの堀部安兵衛(荒川良々)武林唯七(橋本良亮)らは、仇討ちを唱えたので、
説得するため、原惣衛門(木村祐一)を江戸に送るが、逆にほだされて説得失敗。
その後も何度か使者を江戸に送るがいずれも失敗し、金の無駄遣いに終わる。

内蔵助はつてを使い祐海和尚(桂文珍)に賄賂を贈りお家再興の工作を頼む。
金が底をつきかけたとき、内匠頭の妻で現在は仏門に入った瑶泉院(石原さとみ)の持参金5千両を
塩問屋の前田屋茂兵衛(村上ショージ)から金を取り返し、再興資金として使おうとする。

そんな内蔵助の心を知ってか知らずか、金のかかる話やムダ金使いばかりの元藩士たち。

内蔵助は、矢頭長助とけんかしながらもお家再興を願っているが、事態は内蔵助の思惑通りには進まない。

果たして、討ち入り計画は資金繰りに成功してうまく行くのか、それとも頓挫してしまうのか。



面白かった。
戦いの場面、いわゆる殺陣のシーンはほぼない。
討ち入りをクライマックスととらえると肩透かしだが、討ち入りできるか、金が間に合うのか、
が本作の主題であり、結果の知れている討ち入りシーンはもとより必要としていなかったと言える。

なにより、関西弁はほぼ本物。やや危なっかしいのもいるにはいるが少数。
下手な関西弁を聞かされてセリフよりアクセントが気になると言ったことは全くない。

一部、本来(史実上)は関西弁だったと思われる人物が標準語だったりするが、特に気にならない。

岡村隆史と堤真一の掛け合いは面白かった。



江戸時代の通貨制度は変則的で、金、銀、銭の3種の通貨の交換率は一定ではなかったらしい。

例えば、100セント=1ドル、100銭=1円、と言った単位の問題ではなく、
貨幣の発行数や時々の社会、経済の状況に応じて変化していたらしい。

しかしながら、標準的には1両=4貫銭=4千文であり、瑶泉院の5千両は2千万銭となる。

これを16文=480円(1文=30円)で計算すれば、5千両は6億円となり、
映画とは事情がちょっと違ってくる。

映画の原作となったのは、山本博文の「忠臣蔵の決算書」で、大石内蔵助自身が残した
「預置候金銀請払帳」に基づき、費用の分析がされているようだ。
ただ、中には大石内蔵助の私費で賄われて、請払帳に記載されていない費用もあると
考えられているらしい。



内蔵助の愛人をセリフで「側室」と言っていたか「妾」であったかははっきり覚えていない。
いずれにしても一夫多妻が容認されている時代で、側室は公的に認識された存在であり、
当然ながら正室(本妻、第一夫人)もその存在を知っている。
なお、基本は正室一人、側室一人以上であるが、正室が複数のケース、
側室がいながら正室がいないケースなどがあったらしい。

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2 コメント

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感想を拝見して、観てみたくなりました。 (すず)
2019-12-11 19:31:02
 この作品のTVCMを観て、面白そうだあと思っていたのですが、KGR様の感想を拝見して、ますます観てみたくなりました。私的には、特に岡村さんのキャスティングが良いですよね~。

私は五十代ですが、3・40年くらい前は、12月14日は、TVで忠臣蔵の映画が必ずと言っていいほど、放映されていた記憶があります。でも、今はそんなことありませんよね?
この作品を楽しむのには、そもそものお話を題材にしたドラマや映画を観ている方が、何十倍も楽しめるのになぁと思いました。
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忠臣蔵 (KGR)
2019-12-11 20:38:33
最近では「忠臣蔵」と言わず「赤穂事件」というそうですが、忠臣蔵を題材とした映画は300ほどあるそうです。
確かに昔はこの時期に忠臣蔵の放送がありましたね。
ともあれ、300もある忠臣蔵で「お金」を切り口にした映画は記憶がないので、新鮮味がありました。
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