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映画「TIME/タイム」@109シネマズ木場

2012-02-24 14:01:42 | 映画感想
2012/2/23、109シネマズ木場。

いつの間にか109シネマズ木場の全スクリーンがデジタルシネマになっていた。

もちろん設備の更新が必要だが、デジタルサーバからプロジェクターで映写。
フィルムが要らない、映写機が要らない、当然だがフィルムの交換作業も必要ない。
自動運用も可能になるようだ。



映画は「TIME/タイム」
「今年見たい映画リスト」の中の1本。
  
ジャスティン・ティンバーレイク、アマンダ・サイフリッド、オリビア・ワイルド、
キリアン・マーフィー、アレックス・ベティファー。

**

人類の成長は25歳で止まり、そこからの余命は1年。
腕に刻まれた残り時間は25歳に到達したと同時にカウントダウンを始める。

人々は命の残り時間そのものを労働の対価として手に入れ、売買に使う。
すなわち、余命が貨幣の機能を持っている世界。
人間同士の時間のやり取りもできる。

1年の残り時間はすぐに使い果たし、労働者の残り時間は大体1日以内。
ウィル・サラス(ジャスティン・ティンバーレイク)は、工場労働者。
母親のレイチェル(オリビア・ワイルド)は今日が50歳の誕生日。

仕事を終えたウィルは花束を持って母の帰りを待つ。
ローンの支払いを済ませたレイチェルはバスの代金が足りず、走って帰る。
しかし、気づいたウィルが走り寄る母に手を伸ばしたその瞬間、
母の残り時間は尽き、母は絶命する。

翌日、ウィルはバーで会った変な男から100年を超す時間を受け取る。

ウィルは男の残した言葉の意味を探るため、単身富裕層地帯に乗り込んでいく。

**

設定は面白い。
貧乏人は残り時間がないので行動がせかせかして走り、
金持ちは事故で死なないよう何事にも慎重だなども面白い。

とはいえ、脚本の粗さと言うか、編集の矛盾と言うか、
展開にやや無理がある。

母親と今夜食事をと言っていたのに、
ウィルはその夜バーで知り合った男を連れて逃げ、一晩隠れている。
母親に会うのは翌日の夜だ。

母との再会はセンセーショナルなシーンではあるが、
母親の時間が合わない。

絶体絶命のタイムリミットを設けて時間切れの恐怖を盛り上げるのは
いいとして、何度もやられると少し興ざめするし、緊迫感も薄れる。

貧乏人たちが大挙して富裕層地帯に入り込み、
それまでの秩序が崩壊するのはいいが、
ゲートの開放と秩序の崩壊の順序が逆ではないか。

腕での時間のやり取りはいいとしてどこまで強制的にできるのかなど、
時間をぴったり合わせるのはどうやるなどの設定は不明瞭。

また、貧乏人の余命を金持ちが搾取している社会構造はいいとして、
最初に余命を吸い取る仕掛けややり口はよくわからなかった。

フィリップ・ワイズの企業の位置づけもよくわからない。
大規模な独占的企業のようだが公的な部門ではなさそうだし、
一独占企業の仕業としては無理がある。

ハリウッド映画では良くあることだが、如何に巨大企業であったとしても、
政府との連携なくして社会システムの根幹に入り込むことは不可能だし、
全世界的にそのシステムが浸透しているとは考えにくい。
逆に言うと1企業の破綻が社会システム全体の崩壊をもたらすことは考えにくい。

理論的な裏付けは必要ないにしても世界観にほころびがある。


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