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映画「トランセンデンス」@109シネマズ木場

2014-07-07 23:28:48 | 映画感想
2014/7/1、109シネマズ木場。
スクリーン5、いや木場ではシアター5と呼ぶ。
中央通路のひとつ前のD列を選択。
ちょっと前過ぎだった気もするが、既に良く覚えていない。

2D字幕版。

***

ジョニー・デッブ、レベッカ・ホール、ポール・ベタニー、モーガン・フリーマン、キリアン・マーフィ。



ウィル(ジョニー・デッブ)とエブリン(レベッカ・ホール)はAI研究のトップレベルの夫婦。
量子コンピューターPINNを使って、自立型のAIを研究している。

そんなある日、大勢の研究者や一人で猿の頭脳を研究していた科学者がテロで爆死する。

ウィルは、エブリンらとともにフォーラムに参加、講演後、聴衆の一人に撃たれる。
ウィルの傷は浅かったが、銃弾に仕込まれたポロニウムにより、
中毒(内部被ばくによる放射線障害)で助ける手立てはないと診断される。

エブリンはマックス(ホール・ベタニー)とともに瀕死のウィルに端子をつなぎ、
その意識をデータとして吸い上げていく。

結局ウィルは死ぬが、PINNへのデータ取り込みは成功し、
ついにコンピューターからウィルの声が。

喜ぶエブリン。
ウィル(の意識を持つコンピューター、以下、ウィル)はネットへの接続を要求。
マックスは反対して怒るエブリンに追い出される。

その頃、ウィルらを攻撃した非AIを唱える組織RIFTはマックスを拉致する。

徐々にウィルは知識を蓄え、やがて暴走を始める。

**

RIFTの女指導者ブリー(ケイト・マーラ)は憎々しかった。
RIFTは環境テロリストともいわれるグリーンピースなどをイメージしているんだろうが、
破壊工作の是非、善悪を映画のコンセプトではどう考えているのか良くわからない。

ポロニウムは殆ど100%がアルファ崩壊でアルファ線は簡単に遮蔽できるため、
外部被ばくの危険性は極低いが、放射性量は天然ウランの数十億倍できわめて毒性が高く、
ごく微量のポロニウムでも内部被ばくすれば死に至る。
このため猛毒でありながら扱いは安全と言う一見矛盾した性質を持っており、
実際に暗殺に使われたことがある。



アメリカ映画の「巨大パワー対人類」の構図では、
その中核である何かを壊せば全部パー、的な締め方が多い。

この映画もその例に漏れず、ジョニデの意識を埋め込まれたPINNを壊して全部ストップ。

しかし、そもそも自立型のAIを作ろうとしていたのに、すべて中央制御がその結論では浅すぎる。

しかもそれがコンピューターウィルスって「インディペンデンスデイ」と一緒かよ。

インターネットのように複合的相互依存のシステムでは、
群体のように全体としては機能分担しながらも個々が独立して生存できるわけで、
中央シャットダウンですべて機能停止にはならない。

そもそも、ネットに繋がれない機器だってあるし、電子制御でない機械もあるわけで、
映画のような結末にはならない。

「ワールズエンド 酔っ払いが世界を救う」は似たような結末だが、
あっちはコメディだから許される。

そもそも論で言えばいかに優れたAIでも、全世界の知識と知恵を総結集しても
神にはなれないし、そもそもエンジニアは神を作ろうなんて思ったりはしない。

結局、AIは善なのか悪なのか、善でもあり悪でもあるのか、良く見えないし、
科学者、研究者の葛藤も良く見えない。

「お前らはバカだからほっとくと不幸になるので、私が制御して幸せにしてやる」として、
作られたマシンが暴走した結果、不幸になるってのは使い古されたネタのような気がして
あまり新鮮味はないし、設定されたタイムスパンが長すぎて、展開がだらだらしすぎ。

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