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深発地震

2015-05-31 09:53:26 | 科学
5/30の夜発生した地震。

揺れにも驚いたが、590kmという震源の深さにも驚き。

というのも、この付近の太平洋プレートはほぼ45度の角度で沈み込み、
600kmから700kmぐらいで溶融してマントルと合体する。

ざっくりいうと震源はプレート境界面から水平垂直に600km位の
深部かつ遠部でしかももうマントルと融合しかかっている。

だから、よくTVの情報バラエティなんかで出てくる地震モデル
(ゴムみたいなのが押し合って押し合って、ついにボヨヨンとなるやつ)
=プレート境界型地震とは異なる。

概ね、200km以上の震度で起こる地震を深発地震と呼ぶ。

プレートは沈み込んでいったとしてもまだマントルよりは低温で、
且つ深さ670km付近には上部マントルと下部マントルの境界面
(その上下で「相」が異なる)があり、圧力などが大きく異なるため、
プレートはそれ以上沈み込めず、その境界面で閊えることになる。
それでもプレートはどんどん沈んできてつっかえはひどくなり、
長い間には圧力に耐えかねて、ついに地震となる。

つまり、深発地震の最深は670kmが限界で、
それより深いところでは地震は起こらない。

また、振動は沈み込んでいるプレートによって伝わるため、
地表ではかなりの広範囲、遠方まで伝わるし、
地表に至るまでのプレートの場所ごとの特性によって
震度も異なる。

予測も予知も難しく、緊急地震速報が出せるだけの知識/技術力はまだない。
結構揺れたのに、緊急地震速報がなかったのはそのため。

先日の遅れてやってきた緊急地震速報と言い、
気象庁の技術者泣かせの地震が続けて起こったと言えるかもしれない。

今回の地震はマグニチュードが8.5と大規模だったため、
おそらくは情報バラエティなどで取り上げられることと思うが、
どういう科学的解説がなされるのか気になるところではある。

**追記**

その後、マグニチュードが8.5から8.1に。
震源の深さは590kmから682kmに訂正された。

マグニチュードが0.4小さくなったので、地震の規模は約1/4に。

でも深さ682kmは驚き。
前述したように深さ670km近辺(660kmとも)に相転移の不連続面があり
それよりも深い位置での深発地震は非常に珍しいからだ。

2004年4月のマーシャル諸島沖の735kmがもっとも深いとされているようだが、
それに次ぐ深さ。
何より、670kmを超える深さと言うのが驚きだ。


参考
マグニチュードの差 地震の規模の差
0.1 1.4
0.2 2.0
0.3 2.8
0.4 4.0
0.5 5.6
0.6 8.0
0.7 11
0.8 16
0.9 22
1.0 32

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