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電磁パルス兵器、レーザーガン、レールガン、運動エネルギー兵器(その4)

2021-09-22 14:08:44 | 科学
自民党総裁選の議論の中で「電磁波による敵基地攻撃能力」に言及があったらしい。
敵基地攻撃能力の是非や必要性などはさておいて、「電磁波による攻撃」に引っ掛かったので、
関連してテスラ・コイルに触れ、「電磁パルス攻撃」「レーザーガン」「レールガン」を書いた。

最後に「運動エネルギー兵器」について触れる。

まず最初に断っておくが、私は軍事専門家ではないのはもちろん、軍事オタクでもないので、
誤解、間違いが多く あると思う。
また、原理や作用についても間違いがあると思うので、間違いはどんどん指摘してほしい。

これらの兵器がすでに実用化されているのか、実戦配備されているのかはよく知らない。



いいままで書いた兵器の中で、もっとも単純で最も異論も多い兵器。
ものすごく簡単に言うと上から物を落として下にあるものを壊す兵器。

運動エネルギーは、物体の重量と速度の二乗に比例するので、速ければ速いほど威力が増す。
速度を速くするにはミサイルなどのパワーを大きくすればいいが、もっと簡単な方法がある。
それはより高いところから落とすこと。

宇宙空間に物体を落下させる人工衛星を配備し、目的地に落下させる。

落とすものは球体ではなく、棒状のもの。
Rod from God、Rod of God、などと言われ、日本語では「神の杖」と呼ばれているらしい。
個人的にはRodは「杖」ではなく「棒」じゃないかと思う。
杖ならStickかな。
なおよく見る手元が曲がった杖はCane、
ハリーポッターが持っている小さい魔法の杖というか棒はWand。
ガンダルフや老魔法使いが持っている身長ほどもある大きいのはStick。

それはともかく、高高度から棒を落とせば その運動エネルギーは膨大となり、
落下地点に壊滅的な被害を与えることができるというもの。

破壊のためのエネルギーは運動エネルギーなので、弾体は爆弾でなくていい。
ましてや核爆弾でなくていい。
設備は大変だけど、武器としては安上がり。

ただし、速度が上がれば上がるほど先端部は断熱圧縮による高温にさらされ融ける。
(宇宙船の降下時と同じ。なお、温度上昇は摩擦熱ではなく断熱圧縮による)

一説によれば、数百メートルから数キロメートルの範囲の地下数百メートルまでを一気に破壊できるらしい。

ただし、これには異論もあって、想定されているサイズでは落下中に溶け切ってしまうとか、
意外と小さい破壊エネルギーしか与えられないという試算もあるようだ。
Wikiによればある人の計算では、広島型原爆の12万分の1の威力しかない。
とはいっても、1、2キロトンの威力はあるわけで、被害が少ないわけではない。

国際条約で保有や配備は禁止されているようだが、それがどうしたという国には無意味。
ともあれ、もっと威力の強い兵器はいくらでもあり、開発や維持に金がかかる割には効果薄という感じか。



この小型版は寡聞にして見聞きしない。
高いところから物を落とす攻撃。
威力や運用を考えると、小型兵器としてはあまり有効ではなさそうだ。

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