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東京オリンピック/パラリンピック開催に関する私見

2020-03-14 00:00:27 | スポーツ
まずお断りしておかなくてはいけないのは、これはあくまで個人的な考え、つまり私見です。
私はオリンピック関係者でもないし、アスリートやその団体とつながりがあるわけでもない。
ダイエット食品なんかで小さく出る「個人の感想です」に近いというか、それ以上に危うい「意見」。

それを踏まえて、一般人がよく知りもしないで勝手な意見を述べている、程度に見ておいてほしい。



テレビなどを見ていて気になるのは、組織委員会の森会長や安倍首相、あるいは小池東京都知事が、
開催に向けて最大限努力する(している)、中止や延期は考えていないという発言に対する批判。

仮に考えているとして、いや、きっと考えているはずだし、考えているべきなのだが、
本当は考えていたとして、それを言うと思うか。

オリパラは中止も選択肢に入れて検討しています、なんて言ったらそれこそ大変。
そもそも開催可否の決定権は東京都にも日本国にも、オリパラ組織委員会にもJOCにもないのだから、
中止や延期を検討するも何もIOCの判断が決まったら従うだけ。

マラソンの札幌移転の顛末を覚えていますか。
組織委員会はIOCに従うしかないと言い、東京都は納得はしないけど決定権はIOCにあるからと言い、
陸連は憤慨したが反対できず、JOCの意見は表に出ることすらなかった。

どれだけ対策をしていようが、どこまで準備を進めていようが「札幌です」と言われたらそれまで。
できるのはコースをどうするか決めるぐらい。それも独断ではできないけど。

何故わざわざくそ暑い8月にマラソンをやるのか。
いや、マラソンと言わず、夏のオリンピックそのものがなぜ真夏なのか。
季節を問わないスポーツももちろんあるが、夏に適したスポーツもあれば、別の季節が向いているスポーツもある。
1964年の東京オリンピックは10月だったじゃないか。
日本には「スポーツの秋」という言葉がある。
夏のオリンピックが7月8月に限定されているなら(限定されているらしいけど)オーストラリアやニュージーランドは
永遠に夏のオリンピックは開催できない。冬だから。

それはアメリカのTV局の意向が強いと言われる。
7月から8月にかけてはアメリカの人気スポーツの端境期だから。

じゃ、なぜIOCはアメリカのテレビ局の言いなりなのか。
別に言いなりではないだろうが、IOCの収益構造というか、収入の内訳を考えればわかる。
放映権料がざっくり半分、スポンサー料がざっくり4割。
チケット収入は開催都市と折半で収入の1割に満たないらしい。
ある資料によれば5%とあった。引用元商業主義オリンピックの運営資金を賄うテレビ放映権ビジネス

仮にオリンピックを無観客で行うとすれば、日本が被る被害というか損失は多大なものになるが、
IOCにとっては5%の減収にすぎない。
(この部分、訂正あり、別記事参照ください)

ただ、現状を見るとオリンピック代表選考大会が開けていない競技や国が存在し、大会までに新型コロナウイルス騒動が治まらず、
出場選手が選べないケースやオリンピックに参加できない国や地域、選手関係者が出ることも考えられる。

しかし、中止となればこれはIOCにとってかなり痛い。
延期となっても、例えば秋にやるとか、冬にやるとかになると、放映権料はそのままとはいかないだろう。
テレビ局はもちろんだが、スポンサーにとってもうまみが減るわけで、降りるスポンサー続出となれば、
契約にもよるが、放映権返還なんてことになったら、IOCの威厳は地に落ちる。

では、1年ずらすのはどうか。
この方がまだましだろう。
他のメジャースポーツと被らない時期に放送が行われるからスポンサーも視聴者も逃がさずに済み、
放映権料もそのままで行けるかもしれない。

但し、日本、特に東京は大変だ。
各地では聖火リレーや競技の開催がなくなり、事前キャンプなどが行われなくなるが、1年後には行われる。
東京は選手村を後々売りに出そうとしていたのが1年ずれる。
東京ビッグサイトの改装を元に戻すのか戻さないのか知らないけど、イベントの開催が1年穴が開く。
そのほかの施設も1年塩漬けになり、利用も転用も片付けもできず維持費だけがかかる。

だが、IOCにとってはそんなことはどうでもいい。
オリンピックをやることは意味があるが、オリンピックが開催地にどれだけ貢献するかは二の次だろう。
大体、それを考えるのは開催地の役割でIOCの責任ではない。

下世話な言い方で申し訳ないが、IOCはオリンピックが高く売れるかどうかが最大関心事で、
そのために若者受けと見映えが良いが、なんかよくわからない採点競技をどんどん入れたり、
本来の競技ルールを変えてでもTVの放送時間との兼ね合いで採用競技を決めているとしか思えない。

今までの意見もそうだし、これからの内容もそうだが、妄想の類だと思っていただいて結構ですが、
個人的には「全世界にとってオリンピックが世界最高の大会ではない」と思う。

オリンピックが最高峰の大会ではなく、どちらかというと若手の大会であるサッカーはもちろんそうだし、
7人制ラグビーのオリンピックチャンピオンより、RWC優勝の方が名誉に違いない。

ゴルフだってオリンピックチャンピオンより、全英オープンの覇者の方がすごいし、
テニスのオリンピックで勝つより、ウィンブルドンの優勝の方が素晴らしいと個人的には思っている。

だからと言ってオリンピックのメダルに意味がないわけではない。
陸上や水泳のオリンピック金メダリストはすごいし、体操や柔道や、選手のピークから言って4年に一度の意味が大きい
競技においてオリンピックで優勝することはそれこそ心・技・体に時の運が重なって初めてなしえるものだと思う。
ましてやオリンピック連覇はものすごい。
だからこそ違反(ドーピング)してでも勝ちたい選手が出てくるのだろう。

しかし、仮に巨額の賞金が得られる大会で名を成した選手にとって、オリンピックがどこまで意味があるのかは何とも言えない。
全員が国旗を背負って名誉のためだけに戦うかというと必ずしもそうではないのだろう。
だから「うるせえな」と吐き捨てる選手が出たりする。彼にとってオリンピックはその程度の意味しかない。

オリンピックは数ある大きな大会の一つ。
言ってみればG1レースみたいなものと言ったら言い過ぎか。
たまたま4年に一度しかないので、しょっちゅうある大会や年次大会と違うのは事実だが、人によってその重みは違う。

みんながみんなオリンピックは特にすごい、趙特別なものだと思っているわけではなさそうだ。
特に出る側ね。



色々ネガティブな書き方をしたが、オリンピックなんか止めちまえと思っているわけではない。
オリンピックに多大なる期待をしていたからこそ、IOCの金もうけ主義(と言われることもある)体質や、
権威主義や、JOCや開催国をないがしろにする姿勢にがっくり来ただけで、オリンピックには期待している。

仮に1年延期になれば、桃田だってもっと万全の状態で出られるだろうし、萩野の復調、池江の復活も期待できる。
内村は厳しいかもしれないが、白井は復調するだろうし、逆に今年は出られなかった選手が伸びるかもしれない。

本当に延びたら、代表選手選びもやり直しになる可能性もあるし、各競技団体は難しい決断を迫られ大変だろう。
先に書いた施設などの維持運営のほか、ボランティアどうするのか、聖火リレー/聖火ランナーどうするのか、などなど
取り巻く多くの課題が出てきて、1年で仕切り直しできるのかという気もしなくはない。

2020年中に開催できなかった場合の中止の権限もIOCにあるらしいからどうなるかは全く予想つかず。
こちらとしてはただ見守るしかない。



以上、すべて個人的な根拠のない意見にすぎません。
飲み屋で友達相手に愚痴り、否定したり賛同したりするレベルの話です。

当面は飲み屋で口角泡を飛ばして議論することができませんので、つらつらと書いた次第です。
内容について反論、反感、批判的感触ご意見を持たれるのはもちろん自由ですが、
あくまで個人的意見だとご承知いただき、一部を切り取ってあげつらうのはご勘弁ください。

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