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賞味期限妄信の怪

2008-01-11 11:43:28 | Weblog
10日前のシュークリームを食べた──「賞味期限病」について(WIRED VISION) - goo ニュース

「賞味期限病」とはいいえて妙。

映画ではよくあるが、
例えば毒とかばい菌とかウィルスとかに感染して、
24時間以内に血清を打たないと死んでしまう設定で、
いろいろと紆余曲折があって、
結局は24時間直前に血清が間に合って助かる。

これが時限爆弾とか、何らかの機械ものなら分かるが、
人間が23時間59分なら大丈夫で、
24時間ならアウトなんてなるわけがない。
さらにすべての人間がぴたり24時間のはずがない。

しかし映画の場合はそう言っちゃ始まらないからそれでいい。

でも実際の食いものはどうか。

例えば、賞味期限が1/10になっている牛乳があるとする。

1/10の23:59に飲めば大丈夫だけど、
1/11の0:00になったとたん、飲んだら下痢をする。
そんなわけないよね。

同じスーパーの同じ棚に置かれていた同じ期限の牛乳が、
別々の家庭に買われて行って、別々の保管状態でも
1/11の午前0時になったとたん、一斉にダメになる。
そんなのありえない。

もっと言うと、同じメーカーの同じ賞味期限の牛乳であっても、
もとをただせば、何頭もの牛から多少とも違う時間に搾乳して、
工場でまとめられたものでしょう。

詰められた時間も違うし、配送経路も違う。
スーパーや店頭での管理状況も違うし、
それらが一斉に飲めなくなるほど変になるなんて考えられない。

じゃあ、何で賞味期限があるのか。
品質の保持できる目安だよね。

メーカーから見れば途中の流通経路の管理状態も保証できないし、
各家庭での保存状態もわからない。

わざと腐るようにしたんなら別だけど、
ちょっとどうかなと言う保存状態まで含めて、
ここまでならまず確実に大丈夫、という日付、
それよりさらに早めにしておけば、
想定外の事態でもおかしくなることはまず考えられない。

賞味期限は、メーカー保証である限り、
そういう日付にせざるをえないわけで、
そう思えば、賞味期限を金科玉条のようにとらえるのは変だ。

卵は10℃で保存すれば2カ月間は生で食っても大丈夫らしい。
しかし、卵に書いてある「生で食べられます」は、
概ね採卵から1週間から10日。

冷蔵庫は開け閉めするし、完全に清潔、と言うわけでもないから
2ヶ月経って生で食べる気にはならないが、
「生で食べられます」期限を過ぎたら捨てる人がいるというから驚く。

もみじ饅頭は、実際に社員の品質管理担当者が、
毎日製品を食って、品質を確かめている。
それによれば、製造から20日までは品質に変化なく、
20日過ぎると「皮がややパサパサする」らしい。

そこで、これを品質保持の限界として、
実際の賞味期限はその4割である8日にしているとのことだ。

つまり、8日過ぎても品質に何の問題もなく、
もっと言えば多少硬くなったって、パサパサしようがかまわないなら、
3週間くらいしても大丈夫、ということ。

なにもすべても食品で賞味期限を無視せよと言っているわけではないし、
賞味期限切れの安全を保証するものでもない。

醤油は賞味期限が切れても腐るものではないが、風味は多少損なわれる。
逆に砂糖には賞味期限がないが、保存状態が悪いと固まったり、臭いが付く。

いずれにしても、賞味期限は便利な目安ではあるが、時限装置ではない。
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