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試写会「ヘルプ 心がつなぐストーリー」@よみうりホール

2012-03-17 23:47:02 | 映画感想
2012/3/16、よみうりホール。
2時間26分と長丁場の為か、18:20という中途半端な時刻の上映開始。

かなりの入りというか、ほぼ満席。
開場は17:50だったが、18時には1階席はほぼ満員。
2階席中段に陣取る。

***

エマ・ストーン、ビオラ・デイビス、オクタビア・スペンサー、
ブライス・ダラス・ハワード。



1960年代の南部ミシシッピー州、ジャクソン。
スキーター・フェラン(エマ・ストーン)は、大学を卒業して故郷に帰ってきた。

スキーターは、ジャーナリスト志望でノンフィクションライターを目指し、
地元新聞に雇われる。
しかし、仕事は読者からの家庭のお悩み相談コラムの回答。

町では女性は早く結婚して家庭を持つのが幸せで、家事全般から子供の世話は、
黒人女性のハウスメイド、通称ヘルプに任せるのが常識とされていた。
スキーターの友人たちも結婚して子供を持ち、家事や子育てはメイドに任せていた。

友達の一人のヒリー・ホルブロック(ブライス・ダラス・ハワード)は、
メイドのトイレは雇主と別にする法律の素案を作って
請願するほどの差別主義者だった。

スキーターは友人のエリザベスに頼んで、
彼女のメイド、エイビリーン(ビオラ・デイビス)に
コラムの回答の手助けをしてもらうが、
実はメイドの抱える不平不満を本にしようと考えていた。

NYの編集者、エレイン・スレイン(メアリー・ステンバージェン)は、
スキーターのドラフトに共感はしたものの、
差別意識に強い南部で実現できるか懐疑的だった。

スキーターは手始めにエイビリーンに本当の話を語らせようとするが、
喋ったことがばれるのを恐れるエイビリーンはなかなか喋らない。

そんな中、ヒリー・ホルブロックの家で働いている
エイビリーンのメイド仲間のミニー(オクタビア・スペンサー)は、
母屋のトイレを使ったことで首にされてしまう。

二人は意を決して語り始める。
こうして始まったたった二人のメイドの反乱が
やがて大きな輪となっていくのだった。

**

2009年に出版された同名小説の映画化。
作者のキャサリン・ストケットは監督のテイト・テイラーの友人である。

白人と黒人の対立を煽る感じはしない。
法的にも差別が規定されていた頃の南部を描いている。
バスの乗る位置の区別、街中での白人と黒人の違いは示されていたが、
一般的な黒人差別については語られず、
もっぱらメイド=ヘルプに焦点を当てている。

問題を暴露したのはやっぱり白人女性であって、物語は白人目線に見えた。
最後にエイビリーンがヒリーに吐く捨て台詞は(少なくとも字幕では)
ヒリーからスキーターの存在を隠し通す意味もあったように感じた。

本当ならスキーターにとってもこの本は危険な賭けであったと思うが、
その点はやや希薄だった。

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4 コメント

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ピロEKさんへ (KGR)
2013-11-06 08:42:00
あんまり黒人差別って感じはしませんでした。
職業差別というか、劣悪な労働環境と言うか、なんかそんな感じ。

差別でなくても「従業員用」の施設が別になっていてもおかしくはないけど、今となってはもう印象が薄いです。

エマ・ストーンがブライス・ダラス・ハワードに替わって、グウェン・ステーシーになったのも何かの因縁でしょうか
返信する
おじゃまします (ピロEK)
2013-11-06 06:06:42
おじゃまします。
自分の目の前で起こった訳でも無い差別問題を物語にしたもの…どう受け取ったら良いもんなんですかねぇ。
個人的には啓発的には受け取らないようにしています。だって事実なんて私には分からないのだから。
…そういう部分に深入りしなくても観賞に堪えうるように作ってる映画だったので、上手い作りだったんじゃないかと。
では、また来させていただきます。今後とも宜しくお願いいたします。
返信する
クマネズミさんへ (KGR)
2012-04-20 09:26:42
>職業上の問題
たしかにそうですね。
労働条件はわりにきっちりしていたように思いますが、雇用契約のはずなのに使用人扱いだとか、職業差別の色合いが濃かったと思います。

タイトル(の付け方)は難しいですね。
客受けを狙う気持ちは判りますが、煽りすぎやミスリードは困りますし、原題の持つ重みも考えてほしいです。
返信する
職業上の差別 (クマネズミ)
2012-04-20 02:14:14
今晩は。
おっしゃるように、本作は、「2時間26分と長丁場」でしたが、「白人と黒人の対立を煽る感じは」なく、むしろコメディタッチで「もっぱらメイド=ヘルプに焦点を当てて」いるので、随分と面白く見ることが出来ました。
ただ、本作で一番の問題とされるトイレですが、町中のトイレで白人用と黒人用とが区別されていれば明らかな人種差別ですが、雇い主用のトイレとメイド用のトイレを区別することは、職業上の問題であって、直ちには人種差別に繋がらないのでは、と密かに思ったりしています(勿論、メイドがすべて黒人ですから、結果的には黒人差別になりますが)。
スキーターの著書も、内容は分かりませんが、メイドという職業にまつわる証言が多く記載されている感じを受けるのですが。
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