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ハイレゾオーディオ商戦本格化

2014-12-10 14:48:03 | IT
ハイレゾオーディオがマスメディアでもいろいろ取り上げられてきている。

確かに音は良いらしい。
オーディオマニアだとか、いわゆる「耳の良い人」でなくても
普通のCDとの違いが判るというから、明らかに違うんでしょう。

ただ、どうも勘違いと言うか、紛らわしい表現が多いのが気になる。

最初に気になったのは「ハイレゾ」って、ハイレゾリューション、
すなわち高解像、高解像度の意味であって、ハイレゾ=ハイレゾオーディオ
ではない、ということ。

なぜこれにこだわるかというと、ハイレゾ=高解像度には、
音源だけではなく、画像の事も含まれるから。

HDがハイディフィニッション=高精細。高解像の意味から、
高精細度映像のことになってしまったように、ハイレゾも高解像度音楽の
ことになってしまうんだろうなという予感はしてますが。

そんな言葉の使い方云々はさておき、
気になっているのは、今話題になっているのが「ハイレゾ音源」ばかりということ。

音源、プレーヤー、スピーカー(ヘッドホン)のすべてが対応して初めて
高音質が楽しめるのであって、音源だけハイレゾになってもダメなのよね。

また、CDはサンプリング周波数44.1kHz、量子化ビット数16と決まっている。

この記事(高音質な音源じわり浸透 「ハイレゾ」初の年末商戦)でいうところの
「1秒あたりの音を4万4100個に刻んだものをつなぎあわせ」
「音の強弱を2の16乗(6万5536=16ビット)のレベルでつけている」
がCDの規格を表している。

記事ではハイレゾを
「1秒あたりの音を19万2千個に刻んでつなげ、
「音の強弱は2の24乗(1677万7216=24ビット)のレベルでつけている」
としている。

しかし、ハイレゾには規格が複数あって、記事の192kHz、24ビットの物だけでなく、
サンプリング周波数はCD並みであって量子化が24ビットの物や、
量子化ビット数はCD並みの16ビット、サンプリング周波数がCDの倍以上の96kHz、
記事の(ソニーの)規格以上の192kHz/36ビット、
384kHz/36ビットのものまである。

これ等の互換性がどうなるのか(プレーヤーが全規格に対応できるか)気になるところ。
ある技術者に聞いた範囲では、大体のプレーヤーは対応しているはず、という程度だった。

刻みが縦横に細かくなれば、精細度が増すのは自明だが、
先に取り上げた記事の
「持ち運びできる音源のほとんどが「MP3」と呼ばれる形式で」
「CDよりもさらに圧縮されており、臨場感に乏しかった」
というのは誤解を生む表現。

CDは非圧縮でMP3は圧縮、だから、「さらに圧縮」は間違いで「さらに」が余計。

MP3で音質が劣化するのは確か。圧縮する際に、
「小さい音は大きい音にかき消される」
「聞こえないくらい小さい音はなくても同じ」
「音の高さによって聞こえる限度が異なる」
なども利用してデータを端折っている。

ただ、圧縮だから劣化するというのか間違いで、方式によっては劣化しないものもある。
また、人間の耳には聞こえないくらいの高音や重低音を端折っているのはCDも同じ。

原音に近い方が臨場感が増すのはその通りだと思う。
メディアが、あるいはメーカーが、新技術のメリットを強調するのは当然で、
少しも悪いことではないが、音源だけハイレゾにしても効果薄。

何よりプレーヤーがハイレゾ対応でないといけないし、
プレーヤーもスピーカーも高音質を再現できるものでないとダメ。

先に引用した記事はそのあたりしっかり書かれているので良いけど、
音源だけ良くなればすべて良しではないことは承知しておく必要がある。

静かな部屋でじっくりと音楽を聴く分には高音質が良いに決まっている。
しかし、雑音の中、歩きながら、電車内、あるいは自動車内で、
どこまで高音質が必要かは、有効かはよく考えてから買った方がいいよ。

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