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2009/4/8、大手町の東商ホールでの開催。
時間帯のせいか、映画の設定のせいか、熟年夫婦の参加多し。
eiga.comの独占試写会。
300組、600人は、東商ホールの定員(596席)通りだが、
半分ほどの入りだった。
**
3組の男女が織りなす愛情ドラマ。
中村雅俊、原田美枝子、イッセー尾形、綾戸智恵、井上順、戸田恵子。
***
大手建設会社の常務を60歳で辞めた橘孝平(中村雅俊)と妻、ちひろ(原田美枝子)、
橘家の近くの鮮魚店、魚松のオヤジ、松山正彦(イッセー尾形)と正江(綾戸智恵)、
正彦が通う病院の担当医、佐伯静雄(井上順)と
彼が医学用語の監修をする翻訳家、長谷部麗子(戸田恵子)。
佐伯静雄の勤める病院は、橘夫妻の娘マキ(星野真里)も出産のために入院する。
***
冒頭は東京の俯瞰。
首都高を1台のトラックが行く。
降りるタイミングを失い、あちこちをうろうろしている様子。
運転する若者(石田卓也)が何者なのかは後で明かされる。
都内の大手建設会社に勤める橘孝平(中村雅俊)
常務なので60歳定年ではないはずだが、会社に残ることを拒み、
60歳の誕生日で定年退職する。
妻、ちひろ(原田美枝子)は、近所の魚屋、魚松で
主人夫妻(イッセー尾形と綾戸智恵)と会話を交わしながら、
退職祝いの鯛の刺身を作ってもらう。
同棲中の娘マキ(星野真理)と八木沼(内田朝陽)もやってくる。
しかし、孝平の向う先は愛妻の住む家ではなく、
愛人根本夏美(原沙知絵)の住む高層マンションだった。
やがて遅くなり帰宅する孝平、マキにちひろが、孝平と離婚すると告げる。
孝平は根本の会社の共同経営者となるが、
大企業での経験をもとに自分が仕切ろうとする孝平。
しかし自分の意識とは裏腹に社での動きは空回りするのだった。
魚松の正彦は、妻、正江を伴って病院に診察に来ていた。
担当医の佐伯静雄(井上順)は物静かな医師、
糖尿の正彦に優しく生活指導をする。
静雄は、ベン・ケーシーにあこがれて医者を目指した。
実直で研究熱心だが、成功したとは言い難い。
時々、翻訳の手伝いなどのアルバイトもしている。
長谷部麗子(戸田恵子)は翻訳家、医療小説の監修に静雄の手を借りている。
今日も喫茶店で仕事中、判らない医学用語に静雄の手を借りていた。
静雄中3の娘、理花(金澤美穂)と2人暮らし、今日も娘と妻の墓参りに行く。
社内会議で、頭ごなしに若手の意見を否定する孝平。
自分が話をつけるとばかりに旧知の取引先に話を持っていくが、けんもほろろ、
疲れて帰った社では、若手の案が採用されたとの報告。
夏美に若手に任せるといわれ、ますます居場所を失う。
一人暮らしを持て余すちひろ、今まで就職の経験はないが、
思い切って家政婦の仕事を始める。
その勤め先は、なんと長谷部麗子の家。
最初は邪険にされながらも、麗子は次第に打ち解けていく。
ちひろは、麗子に誘われるままに、おしゃれし、パーティに出かけ、
推理作家麻生(石黒賢)と出会う。
相変わらず病院通いを続ける正彦は、順調に回復する。
が、病室を出ようとしてドアにぶつかる正江を見た静雄は、
突然正江を診断し、右脳に腫瘍を発見、手術を勧める。
孝平はマキの出産の連絡を受けて病院に駆けつける。
そこには来ていたちひろの変貌ぶりに驚く孝平、
マキに言われてちひろを送るが、ちひろと麻生の関係を知った孝平は、
麻生をろくでなしだと罵り、ちひろにろくでなしはお前だと切り返される。
愕然とする孝平は病院へ孫の顔を見に行き、冒頭の青年の訪問を受ける。
そこで青年が孝平に手渡したものは、何だったのか。
孝平はどうなってしまうのか。
そして、静雄と麗子の関係は、正彦正江夫婦はどうなるのか。
***
よく練られたストーリーでした。
3組の男女はいずれもハッピーエンド、でも、
自分の中では孝平はダメになったほうがよかった。
ところで、「前の会社(職場)なら、ああだった、こうだった。」
力のあるビジネスマンとしてはありがちで、でも言ってはいけない言葉です。
自分の時代ではなくなって、周りから疎んじられていることに気づかず、
まだやる気だけはムンムンなのに空回り。
それでも自負心自尊心は人一倍、よくわかります。
そんな自信満々の人生を送ったおやじが挫折して愛人も元妻も失ったまま、
もうとことんダメ、みたいな。
そんなエンディングがよかったなぁ。
**
舞台設定は江東区。
下町で古くからの商店街も多くありながら、新興住宅街もたくさんある。
しかし、それらは多くが超高層高級マンションで、
「山の手」の一軒家の高級住宅街はあまりありません。
そこがちょっとだけ違和感ですが、物語の対比としてはよく出来てました。
時間帯のせいか、映画の設定のせいか、熟年夫婦の参加多し。
eiga.comの独占試写会。
300組、600人は、東商ホールの定員(596席)通りだが、
半分ほどの入りだった。
**
3組の男女が織りなす愛情ドラマ。
中村雅俊、原田美枝子、イッセー尾形、綾戸智恵、井上順、戸田恵子。
***
大手建設会社の常務を60歳で辞めた橘孝平(中村雅俊)と妻、ちひろ(原田美枝子)、
橘家の近くの鮮魚店、魚松のオヤジ、松山正彦(イッセー尾形)と正江(綾戸智恵)、
正彦が通う病院の担当医、佐伯静雄(井上順)と
彼が医学用語の監修をする翻訳家、長谷部麗子(戸田恵子)。
佐伯静雄の勤める病院は、橘夫妻の娘マキ(星野真里)も出産のために入院する。
***
冒頭は東京の俯瞰。
首都高を1台のトラックが行く。
降りるタイミングを失い、あちこちをうろうろしている様子。
運転する若者(石田卓也)が何者なのかは後で明かされる。
都内の大手建設会社に勤める橘孝平(中村雅俊)
常務なので60歳定年ではないはずだが、会社に残ることを拒み、
60歳の誕生日で定年退職する。
妻、ちひろ(原田美枝子)は、近所の魚屋、魚松で
主人夫妻(イッセー尾形と綾戸智恵)と会話を交わしながら、
退職祝いの鯛の刺身を作ってもらう。
同棲中の娘マキ(星野真理)と八木沼(内田朝陽)もやってくる。
しかし、孝平の向う先は愛妻の住む家ではなく、
愛人根本夏美(原沙知絵)の住む高層マンションだった。
やがて遅くなり帰宅する孝平、マキにちひろが、孝平と離婚すると告げる。
孝平は根本の会社の共同経営者となるが、
大企業での経験をもとに自分が仕切ろうとする孝平。
しかし自分の意識とは裏腹に社での動きは空回りするのだった。
魚松の正彦は、妻、正江を伴って病院に診察に来ていた。
担当医の佐伯静雄(井上順)は物静かな医師、
糖尿の正彦に優しく生活指導をする。
静雄は、ベン・ケーシーにあこがれて医者を目指した。
実直で研究熱心だが、成功したとは言い難い。
時々、翻訳の手伝いなどのアルバイトもしている。
長谷部麗子(戸田恵子)は翻訳家、医療小説の監修に静雄の手を借りている。
今日も喫茶店で仕事中、判らない医学用語に静雄の手を借りていた。
静雄中3の娘、理花(金澤美穂)と2人暮らし、今日も娘と妻の墓参りに行く。
社内会議で、頭ごなしに若手の意見を否定する孝平。
自分が話をつけるとばかりに旧知の取引先に話を持っていくが、けんもほろろ、
疲れて帰った社では、若手の案が採用されたとの報告。
夏美に若手に任せるといわれ、ますます居場所を失う。
一人暮らしを持て余すちひろ、今まで就職の経験はないが、
思い切って家政婦の仕事を始める。
その勤め先は、なんと長谷部麗子の家。
最初は邪険にされながらも、麗子は次第に打ち解けていく。
ちひろは、麗子に誘われるままに、おしゃれし、パーティに出かけ、
推理作家麻生(石黒賢)と出会う。
相変わらず病院通いを続ける正彦は、順調に回復する。
が、病室を出ようとしてドアにぶつかる正江を見た静雄は、
突然正江を診断し、右脳に腫瘍を発見、手術を勧める。
孝平はマキの出産の連絡を受けて病院に駆けつける。
そこには来ていたちひろの変貌ぶりに驚く孝平、
マキに言われてちひろを送るが、ちひろと麻生の関係を知った孝平は、
麻生をろくでなしだと罵り、ちひろにろくでなしはお前だと切り返される。
愕然とする孝平は病院へ孫の顔を見に行き、冒頭の青年の訪問を受ける。
そこで青年が孝平に手渡したものは、何だったのか。
孝平はどうなってしまうのか。
そして、静雄と麗子の関係は、正彦正江夫婦はどうなるのか。
***
よく練られたストーリーでした。
3組の男女はいずれもハッピーエンド、でも、
自分の中では孝平はダメになったほうがよかった。
ところで、「前の会社(職場)なら、ああだった、こうだった。」
力のあるビジネスマンとしてはありがちで、でも言ってはいけない言葉です。
自分の時代ではなくなって、周りから疎んじられていることに気づかず、
まだやる気だけはムンムンなのに空回り。
それでも自負心自尊心は人一倍、よくわかります。
そんな自信満々の人生を送ったおやじが挫折して愛人も元妻も失ったまま、
もうとことんダメ、みたいな。
そんなエンディングがよかったなぁ。
**
舞台設定は江東区。
下町で古くからの商店街も多くありながら、新興住宅街もたくさんある。
しかし、それらは多くが超高層高級マンションで、
「山の手」の一軒家の高級住宅街はあまりありません。
そこがちょっとだけ違和感ですが、物語の対比としてはよく出来てました。
「あなた勘違いしてますよ。あなたと仕事をしていたんじゃない。協和建設と仕事をしていたんですよ!」
というようなセリフがありました。
サラリーマンは、肝に銘じる必要があると思いました。
確かにその通りですね。
中村雅俊のセリフや行動は、
ダメな落下傘上司とか、
昔は鳴らしたと自慢する嫌な奴を彷彿とさせ、
その意味でも肩書きを失って
もっともっとだめになる方がよかった。
って、これ私怨かな。
2組はOKでも彼は現実の自分自身がわかったことだけで収穫。
奥さんは一皮向けて新しい彼氏とうまくいくまで映さなくてかまわず
全部が体裁的にハッピーエンドでなくても新しい自分をわからせて
もらえただけでも収穫だと思えるのにそれではだめだっとんでしょうね。。
ハッピーエンドでない組み合わせがあっても
良かったと思います
知りませんでした、江東区が舞台だったのですか~
ビジネスマンとしては孝平の部分に感情移入しやすかったですか?
ある意味そういう点では、最もこのパートが「痛い」かんじでしたね。
もっとこのエピソードだけを突き詰めて、いったん孝平が何もかも失って駄目ダメ期間を年老いるまでやって、妻がラブレターを受け取って彼の死に際に戻ってきてくれるなんて設定のほうが、感動したかも…
転居したと考えるべきとのご意見も頂きました。
この件については別掲しましたが、
http://blog.goo.ne.jp/thiroi/e/6b88a00070afd6b09d624ca4ad180661
設定上は江東区である、と考えています。
孝平は私にとって最も現実的でした。
>何もかも失って駄目ダメ期間を年老いるまでやって
>妻がラブレターを受け取って彼の死に際に戻って
これ良いですね。
ちひろが30年分の恨み辛みを晴らす、
孝平からいえば30年分の贖罪なわけで、
あれじゃ軽すぎます。