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NEC、文科省のスパコン・プロジェクト離脱

2009-05-14 13:52:52 | IT
NEC、次世代スパコン撤退…巨額の開発費負担を削減(読売新聞) - goo ニュース

NECが共同開発離脱=国の次世代スパコン-「経済状況悪化」で・理研(時事通信) - goo ニュース

文部科学省「次世代スーパーコンピュータ・プロジェクト」への参画形態の見直しについて(NEC)

スパコンは、NECのコンピュータ事業の象徴の一つでもあるので、
そこから撤退なのかと、ちょっと、先走って読んでしまいましたが、
NECがスパコン事業からただちに撤退すると言うことではないようです。

NECが離脱するのは、文科省のスパコン開発プロジェクトで、
理化学研が担当、これを富士通、日立、日電に共同開発を委託しているもの。

これから製造に入ると、NECの持ち出し分が100億程度必要らしい。

政府の仕事を受けているのに、持ち出し? 業績悪化が理由?
と、不思議ら思うかもしれない。

実際の契約内容を見たわけではないから推測だが、
こういう事業の場合、かかる金の半分程度を政府が出すとか、
別の言い方をすると、半分くらいの金で引き受けさせることはよくある。

その代り、開発で得た成果を自社の製品などに自由に使える。

革新的な技術開発が主眼だから、各社単独では厳しいものだったり、
多額の研究開発費がかかることでもあり、
研究開発費を政府に半分負担してもらっていると見ることもできる。

ただし、開発の目標はあくまで政府主導、自社の経営戦略と言うより
国家戦略で決められている。

スーパーコンピューターを自社の経営戦略から外すのではないとしても、
このプロジェクトの目的が、自社の戦略と合っていないことは十分あり得る。

その意味で、文部科学省の次世代スーパーコンピュータ・プロジェクトからの離脱と、
NECのニュースリリースにある「NECはスーパーコンピュータ事業を継続」は、
必ずしも矛盾しない。

しかし、読売の記事にあるように、
>将来的には事業の大幅縮小や完全撤退につながる可能性がある
のも事実だけど、あくまで可能性。

スパコン事業を続ける場合でも、このプロジェクト参画を継続しても
結局はFやHと同じ設計の性能も似たり寄ったりのものしか作れないわけで、
さらに100億突っ込んで元が取れるのか、と考えると、
独自路線を行った方が良いと考えても不思議ではない。
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