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実に面倒なエコポイント交換

2009-10-27 15:28:35 | 政治経済
わずか半年足らずで、廃止の方向へ?「エコポイント制度」が陥った罠(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース

この記事の本文(ダイヤモンド・オンラインの記事)を読んでいくと、
エコポイントが陥った罠として、
3省(総務省、経済産業省、環境省)が、それぞれ異なった思惑のまま、
民間で成功したポイント制度の本質を理解することなく、
雰囲気で取り入れてしまったことにある、と書いています。

雰囲気に流されて、制度設計を誤った、と分析していますが、
私は全く考えが違います。

それは確信犯的にわざわざ複雑な制度設計にしたと言うことです。

消費喚起にせよ、省エネ家電普及にせよ、
エコポイントを「その場で値引き」にすれば効果は絶大です。

今回のように「後で返ってくる」ことにしてすらこれだけの効果がありました。

しかし、エコポイント申請をしたことがある人ならお分かりでしょうが、
実に複雑で面倒な仕組みとなっています。

しかも、われわれ消費者には見えない手間やコストがかかっています。

仮に「その場で値引き」にしても販売店さんが書類などを整備して、
還付請求を出す手間がありますし、それを審査して還付する手間もかかります。

中には売り上げをごまかして顧客には還元せず猫糞する輩も出るかもしれません。

つまり、どんな制度設計でも、官側の事務作業がゼロになることはありませんし、
100%完璧と言うことはありませんが、今の制度は実に無駄が多いと思います。

エコポイントの交換申請する時にあの一覧をご覧になったと思います。

あの分厚い一覧表が降って湧いたわけではありません。

あらかじめ小売店や商店街や業界団体が自分たちのポイント制度や商品券などへ
交換できるように申請し、審査されて、あのカタログに載るわけです。

申請手続き、審査手続き、そしてカタログ作り、さらにはそれを販売店へ配布、
膨大な手間とお金がかかっていると思います。

さて、省エネ家電が売れてそれがエコポイント対象だったとき、
われわれ消費者としては交換申請しなければなりません。

その手続きの消費者側の手間はまあ良いとして(良くないけど)
申請書(この作成にも金がかかってる)を手に入れて、保証書のコピーや、
レシートやリサイクルの証明書をつけて、郵送するわけですが、
それを受け付けて審査して、交換する相手に連絡して、、、、等々、
またしても膨大な事務量が発生するはずです。

そしてその相手先でまた事務手続きに従って交換し、
やっと消費者に届くのですが、事務経費はその相手先の負担になるのでしょうか、
それとも税金で手当てするのでしょうか、いずれにしてもロスはロスです。

これを「その場で返金」にすれば消費者の手間が省けるだけでなく、
交換品としての申請も要らないし、カタログもいらないし、
販売店からのまとめ申請に比べれば、はるかに多いはずのエラー(書類の不備)も
少なくて済み、官側の事務作業も軽減されるはずです。

つまり、原理的には消費者に同じ利益をもたらすものであっても、
簡単な仕組みと、複雑な仕組みが設計できますが、
不正をできるだけ厳密に排除するとか、より正確に数値を把握するとかの理由で、
「官の仕事」が増えるように制度設計しているとしか思えません。

いや、税金を使う以上、厳密、厳格に制度設計したら、そうなってしまった、
と思いたいですが、消費者、販売店、エコポイント事務局、
そしてエコポイントを交換する相手のメーカーやショップや団体やら、
どこか1箇所でも手続きにミスがあれば、手元にやってこないような仕組みが、
本当に厳密と言えるでしょうか。

今のところエコポイントの継続は難しそうですが、もし継続されるならば、
今の仕組みのままではなく「その場で値引き還元」にして、
販売店がまとめて還付申請する仕組みにしていただきたいと思っています。
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